私は静かに学校生活を送りたい (ページ36)

今日:19 hit、昨日:0 hit、合計:142,939 hit

音が28 ページ36

目を開けても真っ暗な闇が覆っていた

私を助ける人なんて存在しない

心のどこかで私が言う

＜助けて＞

＜この闇から救い出して＞

でも、私は、臆病

言えない

我儘を言ってはいけないの

離れていても、どこかお兄様に見られている気がして。

縛られているの

ずっと

ふふっ

ここに居るのも悪くはないよね

昨日は、怖かったけど、今は、何もない

そう、考えると、奥から光が差し込んだ

白く、大きな光が。

黒いシルエットが見えた

二人の男女のシルエット

見たことがないと思うのに、懐かしく思う

そのシルエットは、家の写真に写っているものによく、似ていた

貴「お母さん....?お父さん....?」

母？「えぇ、そうよ」

父？「あぁ。A、もっとよく顔を見せてくれないか？成長した顔を」

赤ずきん見たい(笑)

貴「うん、いいよ♪」

母？「ふふっ」

でも、少し違和感があった

暗い空間にまた一つの光が増えた

両親と真逆の場所に。

「戻ってきて！」

「まだ話したりないよ...!!!」

「僕らで守るから！！！」

私を戻す声とともに綺麗な光が差し込んだ

どうせ、助けれない

両親のところの方がいいじゃない

母？「生きてていいことなかったんでしょう？」

父？「もう俺らと一緒にこっちで暮らそう？な？」

「わしともっと話してよ...!!!」

96...ちゃん...?

大好きな96ちゃん

いつも話してくれた

「もう心配しなくていいんだよ」

優しい、安心する声

でも、お兄様もあっちの世界にいる

考えるも、助ける、と言ってくれる

そんなに言ってもらって、両親の世界に行って、
後悔してしまうんじゃないかって思ってる

母？「後悔しないから。おいで？」

父？「ほら」

シルエットの中で手を出している

あと、数m

私の足は、自然(・・)と止まっていた

わからない、何故止まったのか

だが、それでいいと思った

回れ右をして、皆のいる世界へ足を向けた

あと一歩で戻れるのだろう

後ろを見ると、明るかった世界は灰色へ変わっていた

ニコッと笑ってから、べーと舌を出す

貴「私の両親なら私を前に向けてくれるはずだよ」

そう言って、足を光に入れた

奥の両親だったものは、黒い塊となって消えた

光が私を包む

疑問の不思議の意味も光に溶けていくようだった