▽18 ページ19
side 侑
.
「あ、おはよう侑!」
俺にしては珍しく早く朝練に来ると、もう南さんがいた。
「……えらい元気ですね」
「あ、おい侑挨拶せえよ!」
「おはようございます!!」
朝イチにも関わらず、前みたいに元気な南さんがいて安心した。
やっぱりこの人はこうでないと。
あまりにも気丈に振る舞う南さんに、俺は彼女は本当に強い人なんだと思って疑っていなかった。
俺とか治の周りをチョロチョロしとる女子が、南さんのこと悪く言ってるのは知っていた。
北さんを遠くから見てる女子が、南さんのことが嫌いなのも知っていた。
でも南さんはそんなこと気にする素振りもなくて、ホンマに凄い人やなあってただただ尊敬するばかりやった。
結局俺が何もわかってなかったんやけど。
放課後練が終わって片付けをしている時に、俺はモップを取りに倉庫に入りかけて飛び出た。
今俺はこの世で1番見たらあかんモンを見てしもたかもしれん、とさえ思った。
それでも気になって、そっともう1回覗いた。
広がる光景はさっきと全く同じやった。
ボールを磨いていたと思われる北さんが、座ったまま、南さんのことを、抱っこ、してた。
え、え〜〜〜〜〜〜〜。
俺これどないしたらええん。
こんなん誰かに言うにも言えへんやん〜〜〜〜〜。
2人はそういう仲やったんか〜〜〜。
バクバクする心臓と色々考える頭を抑えて、とにかく気になって仕方なかった俺は、入口で聞き耳を立てた。
601人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なず@ヴィル様の旦那です(プロフ) - うびゃぁ…………今まで読んできた中で一番好きです… (2021年4月10日 16時) (レス) id: c2e37a127a (このIDを非表示/違反報告)
依(プロフ) - ちびさん» そう言ってもらえると嬉しいです^^お読みいただきコメントまで、本当にありがとうございます! (2020年6月5日 22時) (レス) id: 1c396819ac (このIDを非表示/違反報告)
ちび(プロフ) - めっちゃ感動しました!!最高です( ; ; ) (2020年6月2日 20時) (レス) id: c0c643d2d0 (このIDを非表示/違反報告)
Rikka(プロフ) - りるとさん» そう言っていただけて嬉しいです!ありがとうございます^^ (2020年4月17日 8時) (レス) id: 1c396819ac (このIDを非表示/違反報告)
りると - めちゃくちゃいい話でした!! (2020年4月15日 0時) (レス) id: 615da3bcde (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Rikka | 作成日時:2020年3月18日 10時