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117話 ページ47

所は変わり、八咫神成の潜伏している海上高層楼閣から少し離れた雑木林に太宰達は訪れていた。
乱歩さん曰、ここに姉さん救出の切り札が捕まっているようだが

中「人一人いねぇじゃねえか。」

中也が苛立ちながら路傍の石を蹴り飛ばした。
鬱蒼とした林の中には、かつては集落だったとおぼわしき老朽化して傾いた建物が数多く見られた。
どれも壊れる寸前で、壁には植物の蔦が絡み付いている。
比較的壊れていない建物は全て尋ねたが人が訪れた様子も見受けられなかった。
溜め息をついて横目で瓦礫を動かしている中也を眺める。
あれ、中也の足元に違和感が…

太「ねぇ。そこ、怪しくない?」

中「あ?掘れってことか?」

重力操作で周り一面を吹き飛ばすと

ゴゴゴゴゴ

太「!?」

中「おいおい、何なんだ?」

地響きが始まった。
地響きの中心は太宰が訝しんだ僅かに膨らんでいた地面だ。
音は大きくなり、地面に亀裂が入る。
亀裂から怒りに満ち溢れた男の声が聞こえてきた。

ドガァアアアン!!!!!

亀裂から水色の蜥蜴のような生き物が飛び出てきた。

蜥「ざっけんなよ、あんの野郎ぉぉぉお!!!」

蜥蜴と言ってもサイズが馬鹿みたいに大きい。
下手したら楼閣と変わらない大きさだ。
蜥蜴と言うより竜だ。
それよりも

中「切り札ってこの喋る蜥蜴か?」

怒り狂っているけど協力できるのか?
というかこの声は

太「神様とかいうアンシャル…だよね?」

此方に気が付いた蜥蜴はグルグル言うのをやめて人の姿になった。

ア「君達が地面に皹をいれてくれたんだね?お陰で吹き飛ばしやすかったよ。」

にこにこと笑っているが目は笑っていない。

太「君、竜だったんだね。」

ア「まあね。あっちが本来の僕の姿なんだけど、人の方が何かと便利でね?」

ごきごきと手を鳴らしているアンシャルは神様らしくない。寧ろゴロツキと大差ない動きを繰り広げていた。

中「どうして地面の中にいたんだ?」

中也が訪ねるとアンシャルから怒りのオーラが吹き出した。

ア「僕の同業者がなんだかAを狙っていてね。調べてたら捕まってね?神の力使えないように縛られて地面に埋められたんだ。」

出られないって宣言されてムカついたから拘束具無理矢理ちぎって、どうやって地上に出るか悩んでいたらタイミング良く皹が入ったから飛び出てきたって訳さ。

意気揚々と語っているがとんでもない事してるよこの蜥蜴。

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甘栗(プロフ) - ウナさん» どんどん中也さんの活躍増やしていこうと思ってます!ドキドキしてもらえるように頑張ります! (2019年4月4日 19時) (レス) id: 8ba49da6fd (このIDを非表示/違反報告)
ウナ - うわあ、もうかっこよすぎです、中也!!やばいですよもう!凄いです! (2019年4月4日 18時) (レス) id: 0bc8f10023 (このIDを非表示/違反報告)
甘栗(プロフ) - チョコ味の白兎さん» 確かに口調が敦君みたいですね(笑)色々な関係が動く予定なので楽しみしててください! (2019年3月30日 20時) (レス) id: 8ba49da6fd (このIDを非表示/違反報告)
甘栗(プロフ) - 雪宮暦さん» カッコいい中也を目指してるのでそう言って貰えて嬉しいです! (2019年3月30日 20時) (レス) id: 8ba49da6fd (このIDを非表示/違反報告)
チョコ味の白兎 - 最後のセリフが敦くんっぽい!ここからの展開が楽しみ! (2019年3月30日 17時) (レス) id: 8cc010c4ca (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:甘栗 | 作成日時:2019年2月28日 16時

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