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「や、優しくなんて……僕はただ、僕に出来ることをしたいなって。」
嫌われものの役目でも、どうせなら彼を助けたい。そう思ったけれど、優しいと言われたことがDream以外には初めてでむず痒く、否定してしまった。
でも、嬉しい。
「そう。僕にとってはそれが優しいって事だと思ったんだけどね。」
「あっ、あ、あの、う、嬉しいから…あの、褒められるの、慣れてなくて……これ以上言われると、何と返せば、いいか…」
「分かってる。…凄いな、君今顔真っ赤だよ。いや、真っ紫？」
「う、」
顔が熱いことから察してはいた。でもそれを態々口に出されて指摘されてしまうと、どうしてもその恥ずかしさに直面しないといけなくなる。
「面白いなぁ、君……。
…そうだ、さっきからずっと慌ててついてきていたようだけど歩くの速かった？」
ふと、何でもなく、しかし確実に僕のことを気にかけて言ってくれている。
「いや、そんな事……」
そんな事ないよ、と言い切りたかったけれど、自分を見つめる彼の目に全て見透かされているような気がして、言葉を切り替えた。
「少し、速かった。」
「なら手でも繋ごうか。」
「え。」
間髪入れずに手繋ぎの提案をしてきて、きょどった声が出てしまう。
何で急に？
「人混みで迷う事はないだろうけど、ほら……虐めてくる奴がいるから。」
少し声を抑え、低めに言うObsidian。その雰囲気に、オーラに、若干気圧されたように頷いてしまった。
こうして聞くと、確かに声は同じでも調子や抑揚が違うせいで別人のように聞こえる。…別人だけれど。
Obsidianは嬉しそうに僕の手を取って、「さ、ぶどう買いに行こ。」といつもの調子で、僕を先導し始めた。
＿＿Obsidianは気づいていた。自分を睨み、嫌そうにする視線の中に怯えが混じっていた事。そして、その怯えが敵意へと変わり、自分を今にも傷つけんとしている事。
敵意がNightmareにも向いている事。
本当は、やっとこの生活も終わらせられる。そう思った矢先にNightmareという別世界の自分が舞い込んできたのだから、内心彼は穏やかではなかった。
でも蓋を開けてみれば彼は自分同様に虐められ、それでも尚こんなに優しいのだ。
だから同じ被害者である彼にも、自分のする事を見守っていて欲しい。あわよくば、それで少しでも共感してくれたならいい。
事の決行はぶどうを買った後だろうけど、地面に落ちたり潰れたり、汚れたら嫌だなぁ……などと、他人事のように彼は考えていた。
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螺子 - 続きが気になる病に罹りました!!のんびり更新待ってます〜!! (2023年2月1日 17時) (
レス) @page19 id: ef6865ad9b (このIDを非表示/違反報告)
もふわた【きまぐれ極低浮上】(プロフ) - 星雪桜さん» コメントありがとうございます、シャタド君にはネガティブのために(大抵が度を過ぎた)悪戯をしてほしいな、と……完全なる幻覚ですが、やんちゃしていてほしいですね…！！ (2023年1月14日 13時) (レス) id: 16b00589d0 (このIDを非表示/違反報告)
星雪桜(プロフ) - そちらのお宅のShattered、ちゃんとネガティブ採取しようと動いて… ｶﾜｲｲ。(本当はそれが正しいのですが)初コメ失礼致しました。 (2023年1月14日 11時) (レス) id: 2d02a9e0d3 (このIDを非表示/違反報告)
もふわた【きまぐれ極低浮上】(プロフ) - 宇治露 歩阿さん» 思いついたら気ままに書いていこうと思います。 (2023年1月13日 8時) (レス) @page9 id: 16b00589d0 (このIDを非表示/違反報告)
宇治露 歩阿(プロフ) - 新作楽しみにしてます (2023年1月13日 0時) (レス) id: 0bb7a6f5d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もふわた【きまぐれ極低浮上】 | 作成日時：2023年1月11日 19時
