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町は賑わっていた。僕のところと変わらない。
手を引かれるままに歩を進めていたけれど、町の入り口でモンスターの一人が息を呑んだように見えたのは気のせいだろうか。
…そのままそのモンスターは逃げていったから、多分、気のせいじゃない。
「ちょっと反撃しただけなのに、そんな怯えなくたって良いんだけどな…」
Obsidianの呟きは側にいる僕の耳にも勿論入る。反撃って、どういう事なんだろう。
「反撃って、それ……虐めてくる人たちに、対して…？」
「まあね。と言っても、虐めてくるグループのリーダー？みたいな奴を一発殴っただけだよ。」
一発、殴った？
彼から平然と告げられた暴力の言葉に、つい息を呑んでしまう。
「……こ、怖くないの…？」
「え、何が。殴ること、それとも虐められること？」
「ど、っちも…」
僕らの間だけの沈黙が満ちる。Obsidianは話しつつも歩いていってしまうから、気をつけてついて行かないとすぐにはぐれてしまいそうだ。
「…僕も多少は、怖いって思ってたのかな。」
ぽつり、と彼が零した。
「でもまあ、そういう世界だし。やられっぱなしなのは嫌。」
はは、と乾いた笑いを漏らした彼は、先を行っているせいで顔が見えない。
彼から少しだけ負の感情を感じたけれど、それがどういう感情なのかまでは分からなかった。
それ程微弱にしか感情が出なかったんじゃなくて、きっと彼が抑えているから。隠すのが上手いから。
「……Obsidian、」
気づけば彼の名前を口に出していた。彼は振り返ってきょとんとしている。ついでに言えば、周りの皆は此方を見て嫌そうな顔をして通り過ぎていた。殴ってきたり、しないんだ…
Obsidianが視線の方を見れば、慌ててそのモンスターやニンゲンは目を逸らして、やや駆け足早に通り去っていく。
「僕も虐められているから、分かるよ。君みたいに強いわけじゃ、ないけど……それに、少し羨ましい、その強さが……。
でも、僕も…馬鹿にされていても、負の感情の守護者だからさ。だから、もし溜め込んでいる事があったら、相談してくれると嬉しいな…」
やっぱり口に出す事は怖い。言葉を出せば出すほど視線は下がっていってしまう。
僕の心配なんて余計なお世話なんじゃないか、彼にはJadeという素敵なお兄さんがいるのだから、何処からやってきたかもわからない僕の言う事になんて耳を傾けなくたっていいのに。
「…君って優しいんだね。」
驚き混じりの言葉に顔を上げる。彼の目はまんまるだった。
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螺子 - 続きが気になる病に罹りました!!のんびり更新待ってます〜!! (2023年2月1日 17時) (
レス) @page19 id: ef6865ad9b (このIDを非表示/違反報告)
もふわた【きまぐれ極低浮上】(プロフ) - 星雪桜さん» コメントありがとうございます、シャタド君にはネガティブのために(大抵が度を過ぎた)悪戯をしてほしいな、と……完全なる幻覚ですが、やんちゃしていてほしいですね…！！ (2023年1月14日 13時) (レス) id: 16b00589d0 (このIDを非表示/違反報告)
星雪桜(プロフ) - そちらのお宅のShattered、ちゃんとネガティブ採取しようと動いて… ｶﾜｲｲ。(本当はそれが正しいのですが)初コメ失礼致しました。 (2023年1月14日 11時) (レス) id: 2d02a9e0d3 (このIDを非表示/違反報告)
もふわた【きまぐれ極低浮上】(プロフ) - 宇治露 歩阿さん» 思いついたら気ままに書いていこうと思います。 (2023年1月13日 8時) (レス) @page9 id: 16b00589d0 (このIDを非表示/違反報告)
宇治露 歩阿(プロフ) - 新作楽しみにしてます (2023年1月13日 0時) (レス) id: 0bb7a6f5d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もふわた【きまぐれ極低浮上】 | 作成日時：2023年1月11日 19時
