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第165話・荷が重い ページ30

「完成したな」
「役に立つじゃないか、おまえ」
「なに?」

煽るような口調だが、とても優しく穏やかな声音に佐久間も少々不満げではあるが、
これまでとはまったく違う様子で不動の言葉を受け入れていた。

「この技が完成したのは、佐久間。おまえのお陰だ」
「鬼道……」

ゴールに押し込まれたデモーニオ。膝をつき項垂れていた。

「皇帝ペンギンXが負けた……なんなんだ、あの技は……」

そんな彼の前に鬼道、不動、佐久間が自信に溢れた表情をし立っていた。

「俺たちが生み出した、俺たちだけの技!」
「皇帝ペンギンの最終進化系…」
「皇帝ペンギン3号だ!」
「進化…だと……?」

声が震えるデモーニオ。
そして鬼道は「これが俺たちの答えだ…!」と影山を睨んだ。

試合が再開されても呆然と立ち尽くしているデモーニオは完全に戦意が喪失してしまったようだ。

「俺が…負けた……俺は究極の存在…誰も俺には勝てないはずなのに…なのに…」

デモーニオは地面に崩れ落ちる。

「進化したペンギンに…負けた…俺は究極じゃなかった…究極になれなかったんだ…!」

鬼道有人を越える存在として、作り出されたデモーニオ。
勝利と力に執着するあまりに彼は今様に壊れようとしていた。

「ふんっ、脆いねぇ」

と鼻で笑う不動。

「パスだ! デモーニオ!」
「デモーニオ! お前は、これくらいで諦める奴じゃなかっただろ!」
「ビアンコ…でも、俺は究極じゃなかったんだよ…」
「もういいんだ、デモーニオ。こんな力…俺たちには大きすぎたんだ」
「ビオレテ…」
「戻ろう、デモーニオ。力なんてなかったけど、俺たちのサッカーが出来ていた、あの頃に!」
「でも…でも…!」
「大切なのは勝つことじゃない。全力で戦うこと! そう言ったのは、お前じゃないか!
 デモーニオ・ストラーダ!」
「みんな……」

デモーニオは、楽しくサッカーを出来ていた頃を思い出す。
代表になれない悔しさは確かにあった。
けれどそれ以上に友人とボールを追いかけることは何よりも楽しかった。

デモーニオは立ち上がりマントを取り払う。

第166話・ぷい→←第164話・皇帝ペンギン3号



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設定タグ:イナズマイレブン , 女主人公 , FFI   
作品ジャンル:アニメ
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(プロフ) - 一番最初から全部読みました。最高です。しかもまだまだ続く…!やっと追いついたので本日の一言も始めてみましたがとても面白かったです。これからも更新頑張ってください!✨ (2022年9月22日 9時) (レス) @page38 id: 84ae00d6d7 (このIDを非表示/違反報告)
フラッペ(プロフ) - 本日の一言が好きすぎる (2022年9月14日 23時) (レス) @page23 id: 9679665185 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:活字不足卍 | 作成日時:2022年9月11日 16時

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