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その日のバイトは一彩くんが本屋にいるおかげで、なんだかいつもより楽しい気がする。こう、フワフワしているというか……こんな歳になっても友達が増えると嬉しいものなんだろうな、きっと。
「Aが終わるまで待っていてもいいかな？」
『終わるって……バイトがですか？それはちょっと、困ります……』
「あ、お店に迷惑がかかるのか？」
『いえそうではなくて！』
キョトンとした顔をする一彩くん。その切れ長の目をまん丸にして私を見つめてくる。
『お店はいいと思うんですけど……なんなら休憩スペースも、キッズスペースもありますし……えっとその、だから……』
「…………もしかして僕は今、Aを困らせているかな？だったら謝るよ！僕は君を困らせたくて言ったわけじゃないんだ！」
知り合って間もない人を遅い時間まで待たせるなんて出来ない。一彩くんがどう思うかより、私がそんな時間まで待ってもらうことを申し訳ないと思うからだった。
でも、一彩くんは眉を下げてしゅんとしてしまっている。
……ああ、なんだかこっちの姿を見ている方が申し訳なく思えてきた。けど、
『ごめんなさい、一彩くん。待ってもらうのはとても申し訳ないですし、よかったらまた来てください。漫画のことならいつでも教えますから』
これでもまだ食い下がるかなと思ったけど(一彩くん諦めが悪そうだし……)、意外にもすんなりと「分かった、そうするよ」と頷いてくれた。
それでも、少し落ち込んでいるような一彩くんが漫画本を手にしようとしているのを見て、私はポンと手を打った。
『私がおすすめしている少女漫画は私が持っているものでもあるので、よければ貸しましょうか？』
本代も馬鹿にならないでしょうし。と付け足す前に、なんと一彩くんがガバッ！と勢いよく抱きついてきた。いや、表現としては抱きしめてきたの方が正しいかもしれない。私はすっぽりと一彩くんの腕の中におさまっているから。
『ひ、ひぃ……！！ちょ、なにしてっ、』
「ありがとうA！君は僕の思ったとおり、とてもいい人だね！！……おまけにすごくいい匂いがするよ♪」
『！？なにどさくさに紛れて嗅いでるんですか……っ！！』
本屋で騒ぎすぎだ。本屋っていうのは図書館ほどではないけれど、町の小さな書店も、ショッピングモールに吸収された書店も、どこも"お静かに"が暗黙のルールなんだから。
こんなの、あとで絶っっ対店長に怒られる……。
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ねむ - 一彩くん推しなので終始ドキドキが止まりませんでした...♡最高な物語をありがとうございます😭 (2023年2月26日 22時) (
レス) @page15 id: a6f4e7ce9f (このIDを非表示/違反報告)
朱桜馨 - 主人公ちゃんとひいろが可愛い… (2020年9月17日 15時) (レス) id: 3526ff08b8 (このIDを非表示/違反報告)
まり(プロフ) - りんさん» りんさんコメントありがとうございます！今日ちょうどこはくくんの新作を公開したのでよければそちらも読んでくださると嬉しいです^^ (2020年5月21日 22時) (レス) id: 29281c3049 (このIDを非表示/違反報告)
りん - 初コメです♪クレビpなのですが一彩君にハマりそうな勢いです…!!時間に余裕あればクレビのこはくでもぜひお願いしたいです*° (2020年5月21日 14時) (レス) id: 385319c63b (このIDを非表示/違反報告)
まり(プロフ) - 水無月さん» 最後まで応援して下さりありがとうございます。水無月さんには何度もコメいただき、とても嬉しかったです！こちらこそ最後まで読んでくださりありがとうございました^^ (2020年3月30日 11時) (レス) id: 29281c3049 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まり | 作成日時：2020年1月30日 0時
