16話 ページ17
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霧野「…なんだと?」
A「狩屋くん…?」
霧野は狩屋の言葉に目を見開いた。
Aは何の事だろうと、不思議そうに狩屋を見詰めた。
狩屋「俺…──シードなんです。」
霧野「っ!?」
狩屋「なーんて、冗談ですよ」
狩屋の発言に霧野は驚き、悔しそうに歯を強く噛み締めた。
Aも狩屋の発言を聞くも特に驚いた様子はせず、ただ二人を交互に見た。
すると狩屋は笑みを浮かべたままその場から去り何処かへと行ってしまった。
霧野「アイツ…どういうつもりでシードなんて、何が狙いなんだ…」
A「…霧野先輩、今は試合中です。試合に集中しましょう」
霧野「…嗚呼。」
霧野はAの発言に答えるも表情は変わらないまま霧野は持ち場へ戻る。
その後ろ姿をAはそっと心配そうに見詰めた。
三国「すまない…」
神童「大丈夫です、必ず取り返します。」
三国はボールを拾い上げて申し訳なさそうに呟くと、神童が声を掛けた。
その姿を見ていた天城に「天城先輩…」と声が掛かる。
天城が振り向くと少し落ち込んでいるような狩屋の姿。
Aが狩屋の声に気がついて天城と狩屋を遠くから眺めた。
狩屋「俺、聞いちゃったんです…。
さっき霧野先輩が、"彼処は天城先輩がブロックするべきだった"って」
A「!?(嘘吐いてる…!?)」
狩屋の言葉にAは見開いた。
天城は「はぁ!?」と声を荒らげて、怒りに小さく身体を震わせた。
天城「霧野のミスだド、今の!」
狩屋「でも、いつだったか練習の時も"天城先輩は脚遅いから自分がその分カバーして大変だから"って霧野先輩が…」
狩屋がそこまで言うと、天城が耐えきれずに霧野の方へと向かっていった。
狩屋は霧野へ向かう天城を見て、怪しげな笑みを浮かべた。
A「狩屋くん…嘘ついてるでしょ。」
狩屋「白星さん…」
狩屋はAに声を掛けられると、態としゅんとした様子を浮かべてAを見詰めた。
狩屋「嘘じゃないんです、さっき霧野先輩が本当に…」
A「私はさっきまで霧野先輩の近くに居たの」
狩屋「…!」
A「わかりやすい嘘をつくのね、貴方。」
狩屋「…チッ」
狩屋はAに嘘が通じないと解ると、いい子ぶっていた表情や様子をするのをやめて本当の顔を見せた。
A「それが狩屋くんの本性ね…」
狩屋はAの言葉を答えることなく、走って持ち場へと戻っていった。
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作者名:りはる | 作成日時:2020年4月1日 2時