15話 ページ16
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霧野「っ…！狩屋、俺に任せろ！」
霧野が竜巻を避けてボールを奪いに行こうと走れば、隣に狩屋も一緒に走っていく。
また邪魔をするのかと霧野は狩屋に怒鳴るように述べるが狩屋は霧野の言葉を聞いていないようでそのまま走り込む。
ボールは竜巻からもうひとつの竜巻へと移動し、神童が神のタクトで指示した場所にボールが飛んでくる。
それを受け取ろうと霧野は跳ぶが、そこに狩屋が邪魔するように霧野にぶつかってバランスを崩し、ボールは月島がヘディングして南沢へと渡ってしまった。
A「狩屋くん！霧野先輩！」
Aは倒れてしまった二人に駆け寄ろうとするも、竜巻が丁度Aの目の前にと移動してきた為、駆け寄ることが出来なかった。
A「もう、竜巻邪魔…！」
南沢「"ソニックショット"ッ！」
南沢はボールを受け取るなり、直ぐ様シュート体制に入り必殺技を放った。
だが目の前には竜巻。
三国は端にシュートを決めるだろうと飛び込むが、放ったボールはカーブし、そのままゴールへと突き刺さった。
《ゴールッ！
月山国光、先制点を奪取した──！》
A「嘘でしょ…」
皆は先程のカーブしたシュートを見て、唖然とした。
揺れたゴールネットを見て、思わずぽつりと呟いた。
A「(まさか、竜巻の風を利用して、軌道を変えてシュートを決めるなんてね……流石は月山国光。竜巻を上手く使いこなせるみたいね。)」
そう思いながらゴール前に起きている竜巻と南沢を見詰めた後、竜巻が消えるとAは座り込んでいる霧野と狩屋に駆け寄った。
A「大丈夫ですか…？」
霧野「あ、嗚呼…大丈夫だ」
狩屋「すみません、霧野先輩が来てたのに気が付かなくて…それでぶつかっちゃって」
霧野「なっ…」
狩屋の発言に霧野は目を見開く。
Aも少し驚くも、本当にそうなのかと霧野の狩屋を交互に見詰めると、ひとつの影が近付いた。
月島「＿＿この得点、15番の手柄だな。」
A・霧野「「…！？」」
先程霧野たちからボールを奪った月島が目の前に立ち止まり、狩屋を見て態と聞こえるような声で述べた。
ハッキリと聞こえた霧野とAは同時に驚くと、二人は狩屋を見つめる。
狩屋は二人の視線に気が付くと睨み付けるような鋭い瞳に変える。
その視線はAではなく霧野だけに注がれていた。
霧野「狩屋…ッ」
霧野は立ち上がると狩屋を悔しそうに見詰める。
すると狩屋は膝の汚れを落としながらぽつりと呟いた。
狩屋「…霧野先輩の言う通りですよ。」
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作者名：りはる | 作成日時：2020年4月1日 2時
