コミュ力革命【衣更真緒】 (ページ36)

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34話ページ36

カナダではわりと楽しく過ごしている

語学学校でも真緒くんがくれたチェキはお守りとして常に持ち歩いている

　

「Hey, waht are you lookin'?(ねえ何を見てるの？)」

『This is my treasure(ああ、私の宝物だよ)』

「Wow, he is so cool! B friend?(わあ彼めっちゃかっこいいね！彼氏？)」

『Yes(うん)』

真緒くんのことについて聞かれることが多くて

いつか海外の活動とかもしてほしいなって思う

その時は私が通訳者とかで引率できたらな、なんて

　

こちらはまだ朝

真緒くんはもう寝ちゃってるかな

海外に行ったらテレビ電話するの夢だったり

　

ブーッブー♪

　

ディスプレイを見ると"衣更真緒"と出る

『What's up, Mao!?(どうしたの真緒くん)』

衣「おいおい落ち着けって…」

つい英語に慣れたせいで日本語話すのを忘れていた

『ごめんごめん…』

別にいいよーと電話越しに笑ってる真緒くんが想像つく

『それで、どうしたの？』

衣「声、聞きたくなってさ…」

カレカノあるある「声聞きたくなった」

あの真緒くんからそんなこと言われる日が来るとは

　

衣「おい、話聞いてるか？まさか母国語忘れたとか！？」

真緒くんとあろうもしない妄想を広げていたら彼の話を全く聞いていなかったようで

『久しぶりに真緒くんの声聞けて嬉しいな。お仕事は順調？』

衣「ああ、大変だけどみんなうまくやってるよ」

『そっかそっか』

　

安心した

この夏Trickstarは休む間もないくらいの忙しさだってあんずから聞いていたし

ちゃんと休憩も取れてるみたいだし

　

衣「あと1週間で帰ってくるんだな」

『意外と早かったね』

衣「そうだな、気をつけて帰ってこいよ」

　

きっと私が世界のどこへ行っても

真緒くんはこうして私を大切に思ってくれるんだろう

そんな真緒くんに甘えたくなってくる

『真緒くん、好きだよ』

衣「うん、俺も好き」

　

『それじゃあ真緒くんおやすみ、ゆっくり寝てね』

衣「電話出てくれてありがとな、おやすみ」

　

久しぶりに聞いた真緒くんの声で

あと少し、乗り越えよう

　

朱「お姉様が嬉しそうで何よりです」

『聞いてたの！？』

　

朱「はい、最初から最後までしっかり」

朱桜司くん、その嘘偽りのない笑顔が苦しいです