＊＊３２ ページ32
*
【ハンジside】
ﾅｳｼｶ「王蟲に･･･？」
驚きの表情のまま、ナウシカは意味を噛み砕くように言葉を返した。
ﾊﾝｼﾞ「そう！！キミって確か、王蟲を止められる唯一の人物なんだよね？！王蟲を研究してるの？？ねえ、そうなんだろッ？！」
私が肩を掴んでそう言うのにも関わらず、ナウシカはもう驚きの表情を仕舞い出した。
そして落ち着き払った声で答える。
ﾅｳｼｶ「研究とは違います･･･ただ･･」
ﾊﾝｼﾞ「･･･ただ？」
ナウシカは、言葉を切って次の言葉を発するまでの間、私から目を離さずに、この会話を続けることを
そのほんの数秒の動かないまなざしは、王蟲に対するナウシカの揺るぎない思いを語っている気がした。
―�爐い�なる者にも
と･･･
そう感じ取った私はナウシカから発せられるであろう次の言葉への敬意を決意しながら、それを待った。
ﾅｳｼｶ「ともにこの世界で生きている
ﾊﾝｼﾞ「･･･！」
ナウシカ････
ﾊﾝｼﾞ「同じだ･･･」
ﾅｳｼｶ「･･･ぇ･･？」
ﾊﾝｼﾞ「私もね･･･」
そう･･、巨人に対する愛着と言おうか、それはおそらくそういうことなんだ･･･
巨人たちの根底にあるルーツを成しているものは、何か私たちと同じではないかという気がしている。
何億年もさかのぼる必要などない、ほんのすぐ近くに、その謎の
ﾊﾝｼﾞ「キミと同じ目を持っているということだよ」
ﾅｳｼｶ「同じ目･･」
私はまだナウシカたちには話していなかった巨人の詳細についてと、私の研究者としての考察をなるべく丁寧に話した。
ナウシカはその間も、先ほどと変わらぬ真摯な視線をこちらへ向けたまま聞き入っていた。
ﾅｳｼｶ「･･･ハンジさんに、見せたいものがあります」
話を聞き終えたナウシカの目が、何かをかたくなに護るために潜ませていた光量を解き放ったように、
*
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 5人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ico | 作成日時：2019年12月28日 17時
