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*
【リヴァイside】
オレは両手を軽く挙げて丸腰だとアピールした。
ｸｼｬﾅ「そういう物はむしたちには通用しないどころか、己の首を絞めることになる。覚えておけ」
その言葉でやっとクシャナは目を合わせた。
ﾘｳﾞｧｲ「音に反応するのか」
ｸｼｬﾅ「反応などというかわいいものではない、攻撃される。あらゆる蟲に凄い勢いでな。そうなれば誰も止められぬ。あの娘･･ナウシカ以外は」
ﾘｳﾞｧｲ「･･･了解した」
ｸｼｬﾅ「他に質問は」
ﾘｳﾞｧｲ「いや」
ｸｼｬﾅ「向かうぞ」
そう言ってクシャナは前に位置する操縦席へサッと乗り込んだ。
『ああいうタイプ、パラディー島にはいなかったよね？』
ハンジの言葉がまた出てくる。
まぁ確かに、こんな淡白な会話をするオンナはあまりオレの周りにはいねぇな･･･
しかし誰かとの会話に似ている気がするのは単に気のせいか･････
ｸｼｬﾅ「何をつっ立っている。後ろにしか席はない」
クシャナに
ｼｭｳｩｩｩﾝ･････
エンジン音が体によこす振動が、飛行船とはまったく違う事に気づく。
その音と振動は更に大きくなる。
ヴｫｫｫｫｫｫォォォォ････！！
コレじゃ前と後の人間はまともに会話できねぇな。
パラディー島じゃ発炎筒の合図で大まかな会話はできたが･･･
あれはエルヴィンの発案だったか。
はぁ･･、ともにここへ来た奴がハンジではなくエルヴィンなら･･･
苦い
ﾘｳﾞｧｲ「そうか･････エルヴィンか」
思わず独り言が出た。
ガンシップを離陸させ、操縦するクシャナの背中を見ながら、クシャナとの会話がエルヴィンとの会話を彷彿とさせていることにようやく気づいた。
すまねぇエルヴィン、淡白、ではなく端的、だな。
お前との会話はいつも端的に伝えて端的に返ってくる。
そのテンポが誰にでもできるものじゃねぇってことは、この体にしみついていてよくわかっている。
もっと言えば、自信を持ち、冷酷さを持ち、静けさを持ち、腹の底にゆずれぬものを持つ者同士でなけりゃ成り立たねぇ。
･･････
って事は･････
なんだ。そういう事か。
クシャナがいいオンナに見える理由にオレは気づいた。
女であろうが男であろうが、オレ好みの味の人間ってだけの、シンプルな理由だ。
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作者名：ico | 作成日時：2019年12月28日 17時
