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【クシャナside】
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あれから･･･リヴァイとハンジが風の谷に訪れてから、２週間ほど経った。
リヴァイの喉も回復し始め、まだ痛みはあるようだが話すのに問題はなくなっているようだ。
それより･･･私の心臓？肺？の異常な躍動、息の詰まるようなあの感じはというと、
ﾕﾊﾟ『大丈夫だ、クシャナ。聞いたところによると異世界の者たちとは環境も文化も価値観も、何もかもが違う。戸惑いに身体の反応が出る事もあろう』
ユパからは、いたって冷静な回答が返ってきた。
だが。
そのあとのユパの発言が私の胸に波紋を呼んだ･･･
ﾕﾊﾟ『クシャナ。
新しい事象･････
ﾕﾊﾟ『胸の臓器が熱く激しく躍動したこと、それは“心を奪われた”、と定義できよう。これまで経てきた戦にも、祖国の家族にも、そのような事象は感じて来なかったのではないか？』
ユパの言葉を改めて
言われてみれば、確かに否定できぬ･･･
戦は好きで自ら出向いていた。
寝ても覚めても戦のことを考えているのは苦ではなかった。
むしろ指揮官としての使命であろう。
ある意味で私の心を夢中にさせていたが、心臓の躍動がまったく別物だった。
祖国の家族のことは、ある時期から無関心になった。
指揮官となり父の命令に服従する立場になってからは、哀しみを
それは強い感情にカテゴライズされるものであろうが、家族との間にあった胸のつっかえともまた違う･･･
今この胸の中にあるものは、哀しみではない。
何なのだ･･･心を、奪われる、とは･････
あの者の
絞られて何かがあふれそうになる。
あふれぬように、何かで気をそらす。
その、繰り返しだ。
疲れる。
何も成し遂げていない。何も変わっていない。
だが、超絶に疲れる。
リヴァイ･･･
返してくれ、本当にお前が奪ったのなら。
返せ･････、私の心を。
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作者名：ico | 作成日時：2019年12月28日 17時
