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*
【クシャナside】
マズい。
ユパに聞かねば。
これはなんだ。自分の心臓が痛いほどに躍動している。
リヴァイの咳を理由に部屋を出たが、本当は初めての感覚に対する戸惑いを隠すためだった。
ハンジとの会話の中で、今まで現れなかった自分の素直な感情がほどかれていく気がした。
『ハンジ･･･そなたは恵まれた世界にいるのだな』
そう言葉にした瞬間、ハッとした。
そんな風に心を見せた事はこれまでなかった。
それがなぜ今、あの者たちには見せてしまったのか。
そんな手遅れの後悔と、視界に入ってきたリヴァイの瞳に、恥ずかしさが瞬発的に全身を駆け巡った。
その時に合ったリヴァイの目には、それまで凛と
リヴァイが急に咳き込みだしたのは、その直後。
リヴァイの咳に助けられた。
あのままあの空間に居続けることなど、耐えられなかった。
リヴァイの瞳が頭から離れぬ･･････
なんなのだ。
あの瞳の持つ力は。
あのようなまなざしを向けられた事など、これまで一度も、誰にもない。
なんなのだ･･･なぜ、心臓が痛むほどに波打っている。
何か仕掛けられたか。
パラディー島というところには、目だけで相手を惑わせる魔術か何かが存在するのか。
いや･･･それは少し飛躍しすぎか。
ハッ･･･まさか･･･、私も猛毒に肺をやられたというのか。
そういえば森で私も少々あのガスを吸い込んだ。
思わず胸元に拳を当てる。
そのせいでこんなに胸のあたりが苦しいのか･･･？
だとしたらマズい。
私は急いでユパの部屋へと向かった。
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作者名：ico | 作成日時：2019年12月28日 17時
