【BL】【仮面ライダー】冗談も程々にしろ！【短編集】

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久々の明るい顔、自信に満ちた明るい声の様だった。
「やぁ貴虎、よく来たね」
にこやかに歓迎される。貴虎は微笑み返す。
「…お前が元気になって良かった」
少し頬を赤らめて貴虎は歓喜した。
それにつられて凌馬も頬を赤らめる。
「君のお陰だよ。君が休むように言ってくれたからね」
二人は静かに笑いあう。

そう、僕らはこんだけの仲。それ以上深入りしちゃいけない

凌馬は言葉に詰まった。
「…ん…」
貴虎が心配そうに除き込む。
「具合が悪いのか？」
悪くないと言えば嘘となる。
「うーん…悪いと言えば悪い、と言ったところ、かな」
貴虎は少し考えた。
「日頃の睡眠不足だろうな。ココアでも飲むと良い」
…そう言えば甘いもの取ってないな
「最近甘いもの摂取してないし…たまにはいいよね」
凌馬の言葉に貴虎はハッとする。
「相当疲れているな…俺が作ってくる」
ドキ、と心臓が高鳴った気がした。
「あ、ありがとう…」
何だか何時も様子の違うような貴虎にまだ慣れない。しかし、そう変化はなく、全て凌馬の感覚がそう感じただけであった。

少しすればココアを持って貴虎が帰ってきた。
「ほら」
「ありがとう」
何日ぶりの糖質だろうか。
カカオをふんだんに使いながらも、無駄のない甘さがじんわりと広がり、鼻の奥を軽やかに通っていく。
まだ本調子ではない体が徐々に目を覚ます。
「あ、あのさ…」
小さな声で呟いたつもりだった。
「ん？何だ？」

「私は、君のことを…」
駄目、だ思い切れない。
「……素晴らしいと思っているよ」
逃げる様な言葉にすがりついてしまった。
やはり駄目だ、心に影が落ちていく。
虚しさはまだ広がり続け、ただただ重く残るのは洗練されたカカオの香りであった。
「っ、俺は…当然のことをしただけだ」
急にそう言われるのも心外だった貴虎は少し動揺したが、すぐに微笑んだ。

いつか君に言えるときが来るはずだ

そう信じて靄を揉み消して、純粋で深い甘さを飲み干した。


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まだまだ続いちゃうんだよ…

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