【文スト】一般人の中原です その二

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敦が死神を取り押さえようと飛び掛かる。

その時、腕を挙げた死神の袖からナイフが飛び出した。

敦はそれを虎の腕で弾くが、別のナイフを取り出して襲い掛かる。

振り下ろされたナイフを敦は受け止めた。





「――っ！？」





その時、敦が目を見開いて動きを止めた。

死神の蹴りが敦の腹に入り、顔を歪ませて敦が死神から距離を置いた。





「大丈夫か、敦っ！」



「……？ 敦君？」





駆け寄る国木田と太宰は首を傾げた。





敦が困惑した表情で、静かに佇む死神を見つめていたのだ。





「そんな……まさかっ」





虎の嗅覚で嗅ぎ取った匂いに、覚えがあった。





その時、死神の正面から中也が拳を叩き込もうとしていた。





「っ……駄目だっ！！」



「敦君っ！！」





敦は突然、虎の脚力で地面を蹴り、中也と死神の間に飛び込んだ。





敦は死神を突き飛ばし、中也の拳を代わりに食らって吹き飛んだ。

壁に衝突して、その衝撃で壁が崩れた。





「手前何をっ！！」



「ぐっ……だ、駄目だ……その人はっ――」





瓦礫から這い出ながら、敦が云う。





敦に突き飛ばされた死神は、ゆらりと立ち上がった。





その際、仮面がずり落ち、フードが外れた。









「「っ……！？」」





「っ……な、んでっ」









死神の正体は――――虚ろな目をしたAだった。



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