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「来やがったな」
<ポートマフィア幹部、中原中也。並ビニ見物人、探偵社ノ御三方>
まるでショーが始まるかの様に、死神は恭しくお辞儀をした。
死神は外套の中から拳銃を取り出すと、真っ直ぐ中也に向けられた。
<予言通リ、今宵ハ貴方ノ命ヲ狩ラセテ頂キマス>
――パンッ
銃声が鳴り、弾丸が中也へ放たれた。
しかし、弾丸は中也の胸の前でピタリと止まった。
「こんな豆鉄砲が効くか」
異能で跳ね返した弾丸が死神に向かう。
それをヒラリと躱すと、更に二、三発発砲。
中也はそれを止めながら舌打ちをする。
「手前舐めてんのかっ!」
中也は地面を蹴り、死神に急接近する。
異能を込めた蹴りが死神の顎の下から狙う。
しかし、紙一重でそれを避けた死神は、腕からワイヤーが放たれ距離を取る。
その際、死神の外套からカラン、カランと何かが零れ落ちた。
中也の足元に、ピンが外れた手榴弾が数個転がった。
一斉に爆発して大きく地面が揺れた。
爆煙が立ち昇るが、ぶわっと中也を中心に晴れた。
「ちょこまかと逃げ回りやがって、俺を殺すんじゃねぇのかっ!」
青筋を立てながら、中也は死神を睨みつけた。
それを遠くから様子を窺う太宰達。
「どうしましょう、太宰さん」
「下手に割って入って巻き添え食らうのも嫌だなぁ。何なら中也が殺られてからでも良いのだけど」
「圧倒的に死神の方が不利だ。犯人を見す見す殺す訳にもいかん」
国木田が手帳を取り出して、ペンを走らせ頁を破る。
――異能力――【独歩吟客】
閃光榴弾を生成し、それを投げた。
死神に飛び掛かろうとした中也の目の前に落ち、激しい光を放った。
「なっ! 糞っ手前等、邪魔すんじゃねぇっ!!」
「はいはい、遊びたい盛りなのは分かるけど、お兄さん達はお仕事なのぉ」
「手前っ……!」
中也は眩しさに怯みながらも、的確に太宰に殴り掛かっていた。
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ソルト(プロフ) - この作品にてねこぱふぇさんの作品を全て読み終わりました。どの作品も面白く1日で読み終わってしまいました…これから2週目に入ります。今後のご活躍を期待させていただきます。 (2019年6月14日 0時) (レス) id: 61b043fd1c (このIDを非表示/違反報告)
鶴媛(プロフ) - ネコぱふぇさん» 弟君の幼女化ありがとうございました!!弟君シリーズすごく好きです!!これからも応援しています! (2019年4月30日 21時) (レス) id: 3faee80352 (このIDを非表示/違反報告)
名無しのごん子 - 獄都事変とコラボしてガッツポーズしたのは私だけじゃないはず (2019年4月29日 21時) (レス) id: 1eba992f2c (このIDを非表示/違反報告)
ネコぱふぇ(プロフ) - 大阪さん» すみません。バチカン奇跡調査官は詳しくないです。 (2019年4月29日 10時) (レス) id: 3da7122dd2 (このIDを非表示/違反報告)
大阪 - リクエスト、まだ大丈夫でしょうか?バチカン奇跡調査官とのコラボがみたいです… (2019年4月29日 5時) (レス) id: 513b666ef4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ネコぱふぇ | 作成日時:2019年3月24日 23時