【文スト】一般人の中原です その二

中原兄弟のお買い物【ロト様リクエスト】 ページ29

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「おら、着いたぞ」





『……えぇ』









中也の運転する車から降りて、連れて来られた店の入り口。



Aは遠い目をして店を見上げる。









「何してんだよ」





『マジで入るの？ 此処に？』





「ったりめぇだろ。服買いに来たんだから」









中也は慣れた足取りで店内へ入って行く。



その後を、おっかなびっくりとAが続く。









「いらっしゃいませ、中原様」









きっちりとした店員が中也を見て挨拶をした。









「弟のスーツを一式仕立てたいんだが」





「畏まりました」









店員が数名やって来て、Aの体の寸法を測って行く。









『別に、兄さんの借りるから良いのに』





「俺のじゃあ少しダボ付くだろ」





『少しね』





「強調すんな、そこ」









運動神経平均的なAより、

マフィアきっての体術使いの中也の方が、身体つきががっしりしていた。



だから、中也のスーツをAが着ると、何処か不格好になってしまう。









『だからってオーダーメイドにしなくても』





「自分のスーツくらい、最低一着は持っとけ」



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