僕のクラスには超高校級の民俗学者がいます。【ダンロンV3】 (ページ8)

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7*観察眼。ページ8

手だけを動かして、荷物を整理しながら、そんな思考に浸っていた。
それは、推測にしか過ぎないけれど、どうしても、それが事実のような気しかしなくて。

溜め息を一つつき、荷物が片付けられた机を見て、次に彼へと視線を向ける。

「…真宮寺君、準備、終わりました」
「アァ、僕も終わった所だヨ。昼食は持ったかい？
何なら屋上で食べようと思っていてネ」

こく、と頷いて、手に持った弁当を見る。
此処に戻ってくるのは嫌だから…。
そんな考えのもとでのその行動に、僕自身、嫌気がさしていた。

「…なら、行こうカ」

再度僕に手をさしのべる彼をじっと見つめ、その手に自分の手を重ねる。
これでまた、噂は酷くなるんだろうけど…。

彼の優しく握り返してくれる手が、とても安心できるもので。
ついついその手を取ってしまう僕が、何処か気恥ずかしかった。

＿＿

「＿＿表情が暗いネ」
「…え」

唐突に紡がれた言葉に、彼の方を見る。
表情が、暗い…？僕は、そんなに分かりやすかっただろうか？

「さっきと明らかにテンションが違うヨ。
何か考え事をしていたようだけれど…それが原因だろうネ」

其処まで言われ、登校している際、よく人を観察している、と言われたことを思い出す。
成る程、こんなことを見抜く位、朝飯前だと言うことか。

眼前の屋上へと続く扉を見つめながら、溜め息をひとつ。
此処まで来たら屋上で話せば良いのだが、何故だか、此処で話したかった。

「…僕ら、超高校級の才能を持っていますよね」
「…アァ、そうだネ」
「…そんな二人が、一緒に居たら…笑い者に、なるのかなって。
皆の様子を見る限り…そう、思えます。
今も、笑われているように思えて…」

軽く自嘲するような笑いを溢してうつむくと、表情を曇らせる。
…言わなかった方が良かっただろうか、なんて…。

そんなこと、こうやって後々に考えるなんて遅いとは思うが。
それを気にする位なら離れてしまおう。
そんなの、誰でもその考えに至る。

ぎゅ、と繋がれたままの手を強く握り、その感触を確かめた。
後悔が、僕をどんどんと蝕んでいく。
すると、頭上から、声が降ってきた。

「＿＿そんなこと、気にしてたのかい？」