僕のクラスには超高校級の民俗学者がいます。【ダンロンV3】 (ページ7)

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6*周りの目。ページ7

「ねぇ、あの人達って超高校級の…」
「駄目だよ、小さい子の方はともかく、あの身長が高い人は色々危なそうだから…」
「こうやって話すなってこと？でも…＿＿」

ザワザワと騒がしい校内を、真宮寺君と一緒に歩く。
危なそう、か…。

そういえば、真宮寺君はかなり怪しい格好をしていると思うのだが、僕は何で怪しがることもせずに近付いたんだろう？

いくら呼ばれたからと言え、あまりに不用心過ぎるのではないか。
自分のことながらに分からないものだ…。

「…噂、されてるネ。手を繋いでいるからかな？」
「…え…ぁ、そうかも…ですね…」

真宮寺君の言葉に、周りの声を聞いてみると、確かに「恋人？」だとか、「男同士？」という言葉が聞こえる。
…勘違いにも程があるだろう、僕と真宮寺君は昨日知り合ったばかりだぞ。

と、内心ツッコミを入れて、手を繋いでいる彼を見る。
冷淡で、特に周りのことを気にとめていないようだ。

「…真宮寺君が悪いんですからね」
「了承したのは君だヨ？僕は此処まで考えていたけどネ…」

…ズルい。只ひたすらに、そう思う。
全てを見通している彼には、最早恐れるものなど無いのではないか。

それとも、彼は…もしかして、僕とこうなっても良いと、思っているのだろうか。

…なんて、自惚れた考えを脳内で披露していると、ふと、視界が暗くなった。
…見ると、真宮寺君の顔が目の前に。

「わっ、わぁあああ!?」
「…そんな大声、皆の迷惑になるヨ？」
「だ、だって真宮寺君が…！」
「僕が教室に着いたと告げても、一行に反応を見せなかったのは君だヨ？
僕を見たまま反応しないなんて、もしかして、僕に見惚れてた…なんてネ」

顔をすっと離し、未だ繋いだままの手を引く真宮寺君と共に教室へ入る。
自分の席を見て、溜め息を一つつくと真宮寺君が此方を見た。

「どうかしたのかい？」
「あ、いえ…席まで隣なんて、誰かが仕組んだこととしか思えなくて」
「ククク、仕組んだ、ネェ…。
確かにそうだネ、案外本当だったりして…」

そう答える真宮寺君に苦笑し、ちら、と周りを見渡す。
不安そうな顔、にやけている顔、睨むような顔…。
それらの視線は全て、僕達に集められていた。

この後、僕達が教室を出ていけば、彼らは僕達について話すのだろう。
不思議か、恐怖か、はたまた、愉快か。
彼らが生み出す感情は、なんなんだろう。

「…荷物、整理終わったら行くヨ」
「…うん」

…僕らは、笑い者になったり…するんだろうか…。