僕のクラスには超高校級の民俗学者がいます。【ダンロンV3】 (ページ6)

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5*昨日と同じ。ページ6

「今日も、屋上に行くんですか？」
「アァ、だってA君も、授業はつまらないんだよネ？
それなら一緒に行きたいなァ…」

口元に手を当て、此方を見つめてそう呟く真宮寺君。
…そんな目で見つめられたら、断れる訳がない。
そもそも、断る理由すら無いのだから断る必要も無いのだが…。

「…良いですよ？」
「じゃあ教室で準備をしてから行こうカ」

彼の言葉にこくんと頷いて、学校への道を進む。
と、僕の手にコツ、と何かが当たった。

「…？」
「…また、手を繋いでも良いかい…？」
「…はい」

短く返事をした後、僕の手が優しく包まれる。
自身の頬が熱くなっていることに気付いて、パーカーをぐい、と無理矢理に引っ張って顔を伏せた。

本当、昨日からどうしたのだろうか。
真宮寺君が何をしたと言う訳でも無いのに…。

「…意外と恥ずかしがりやなんだネ、君は。
同性の僕でも恥ずかしがるなんてネェ…ククク…」

ふと頭上から聞こえた真宮寺君の声、その内容に一瞬思考が停止する。
思考が戻ると、つい「何で…」と呟いてしまった。

それはそうだろう。
隠す為にパーカーを深く被り、その上顔まで伏せた。

それなのにいとも簡単に、真宮寺君は僕が顔を赤くしていることを見抜いてみせたのだから。

それに真宮寺君と僕にはかなりの身長がある。
しゃがみでもしてなかった限り、僕の顔が見えたとは思えないのだが…。

「ン…？ …アァ、僕はよく人を観察しているんだ。
だから、君が照れていることなんて簡単に分かるんだヨ。
…僕に隠し事はしない方が良いヨ？
特に君は、隠し事をしにくそうだからネ…」

…流石、超高校級…というべきか。
じゃあ昨日のこともバレていたのだろうか…？

…それにしても、隠し事が苦手なんてことさえ分かるとは。
何せ、僕が出来る隠し事は、男装だということだけだ。

「…因みに…。この手は離さないからネ？
何せ君から了承を貰ったんだからサ…」

真宮寺君はそう言って、ニコ、と意地悪そうに笑ってみせた。