僕のクラスには超高校級の民俗学者がいます。【ダンロンV3】 (ページ3)

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2*偶然…？ページ3

「…ン、チャイム、鳴ったネ」
「そうですね、戻ります？」

チャイムが鳴った…ということは、彼と話していた時間は40分程度だろうか。
彼が話す民俗学の話は中々面白く、時間があっという間に過ぎてしまったように思えた。

真宮寺君は先に行ってしまったが、僕は未だ屋上に残っていた。
少し涼しくなってきたものの、この季節はまだ暑い。

こうやって風を受けて涼むのは、悪い気分では無かった。
ふと、別れたばかりの彼の顔を思い出す。
…彼は、明日も…来るんだろうか。

僕は、何処か期待してしまっている自分が居ることに少しだけ苦笑を漏らし、屋上を去った。

＿＿

…少し、少しだけ…見たことがあるとは思っていた。
思っていた、けれど。

「…まさか、同じクラス、かつ互いに家が近いとはネ」
「…奇跡ですよね」

どちらからと言う訳でも無く、呆れと感心が混ざった溜め息をついてゆっくりと歩を進めていく。
夕暮れの色が濃くなっていく時間帯の通学路は、隣に居る彼のせいでいつもと違って見えた。

気付いたのは、僕が帰る前。
それぞれが下校やら部活やらに向かって、すっかり誰も居なくなった教室へと戻った僕が帰り支度をしていると、見慣れた姿が視界に入った。

勿論、その人は真宮寺君。
忘れ物を取りに来たところに僕と会ったらしく、目を丸くしていたが、同じクラスだったのか、と納得すると僕の家の方向を聞いてきた。

すると、家の方向すらも一致。
そのような事があり、今へと至るのだ。
しかし、彼が本当に1年だったとは。

僕もクラスメイトの顔くらい覚えなくては…いや、今回は彼が授業に顔を見せていなかったのが原因だろう。

「…今まで、よく会わなかったよネ…」
「あー、僕割りと授業には参加してましたから。
…まぁ、寝てましたけど」

真宮寺君は僕の言葉に小さくクスリと笑うと、切れ長の瞳で僕を見つめ、僕の暇をもて余した手を取った。