僕のクラスには超高校級の民俗学者がいます。【ダンロンV3】 (ページ2)

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1*超高校級の。ページ2

「…ん…ふぁ、あ…」

チャイムの音が鳴り、ゆっくりと覚醒してきた意識に合わせて目を開ける。
ぐっ、と伸びをすると、周りからの視線を受けて、肩を竦めた。

「…Aさん、いくら超高校級の才能を持っているからと言って、授業中に寝るのはどうかと思いますけど…」
「んー…？うー、僕も起きていたいよ？
けど、五時間目ってどうしても眠くなっちゃうから…」

目を擦り、僕に声を掛けてきたクラスメイトの子に声を掛ける。
実際、僕が悪いんだろうけど…何せ、反抗したくなる年頃だ。

それに授業内容は全部分かるし…授業を受ける意味が無いのだ。
「ごめんね」とクラスメイトに返し、教室を出ていく。

今日は六時間授業だったし、サボってしまおうか。
屋上へと繋がる扉の前に立ち、ドアノブを回す。
…今日は、開いてる。

「…ン…？おや、こんにちは？」
「ぇあ、先客…ですか？」

屋上の柵から外の景色を見ていたらしい、黒いマスクを着けた背の高い…恐らく先輩だろう、異様な制服らしきものを着たその人が此方を見る。

長くて綺麗な髪、それと長い睫毛だが、声からすると男子生徒だろう。
…まさか、僕みたいに男装…いや、女装もあり得るが…そういう訳では無いだろうし。

「…次の授業が始まるだろうけど、良いのかい？…それとも…」
「嗚呼、多分後者ですよ。貴方も…ですか？」

僕が問い掛けると、彼はこく、と頷き、「横…来るかい？」と聞いてきた。
まぁ、立ち去ると言うのも失礼な話だし、向こうが誘うのなら此方もそれに甘えよう。

「じゃあ、そうさせてもらいますね。
…あ、えっと…僕、1年のA Aです」
「ン…？嗚呼、僕は真宮寺是清。僕も1年だヨ。
…ついでに言うのなら、超高校級の民俗学者だネ」

人差し指を立て、僕が言ったことよりも言うことを一つだけ増やした彼は、特に自慢とか、そういう訳で言ったのでは無さそうだった。

「え、同じ学年…？そうは見えませんでした…。
…一応…僕は、超高校級の獣医学者ですよ」
「…成る程ネ。だからこうして、授業を抜け出してきているんだネ？」
「はい。真宮寺君もですか？」
「嗚呼、理由も恐らく君と同じだろうネ」

目を細め、此方に視線を向ける真宮寺君は、マスクを着けていても綺麗だと分かる顔立ちをしていた。

ふと、同学年ならば敬語はいらないのでは、と思ったが、最初から敬語だったのだ、今更変える訳にも行かずそのまま会話を続けた。