(320)交渉不成立 ページ42
影田「なるほど、お話はよくわかりました」
円堂「それじゃあ、オレ達と一緒に戦ってくれるんだな!」
影田「いいえ、私達は戦うつもりはありません」
風丸「戦うつもりが、ない?」
さっき案内してくれた部員、垣田のおかげで部室に着いた雷門一同は、漫遊寺中サッカー部につられて正座をし、話し合っていた。
……が、この漫遊寺のサッカー部キャプテンである影田は、断言と自分の意思を示していた。
影田「はい。私達がサッカーをしているのは、飽くまで心と体を鍛える為。
戦う為ではないので、彼らには私達に戦う意思の無い事を話して、お引き取りいただきます」
円堂「お引き取り?」
染岡「お、おい。お前ら話聞いてたのかよ?そんな話が通用する相手じゃねえって言ってんだろ!」
カッとなって立ち上がる染岡も意見するが、影田は冷静に言葉を返す。
影田「それはあなたの心に邪念があるからです」
染岡「じゃ、邪念?」
思わぬ発言に染岡が怪訝な顔をする。
影田「心を無にして語りかければ、伝わらぬ事はありません」
染岡「な、何だよこいつら……」
染岡が呆然とするのも無視して立ち上がり、漫遊寺一同は一斉に、自身の掌へ拳を当てた。
影田「では、失礼いたします。修行の時間ですので」
そのまま一礼し、部室から去ろうとする。
円堂「おい、待てよ!」
円堂の制する声も虚しく、外から影田が入り口の戸を閉じる。
その様子を立て膝の体勢で聞いていた聖羅は……、後を追おうとする円堂を見ずに袖を掴んだ。
聖羅「どこ行くの」
円堂「どこって、あいつらを追って……!」
聖羅「咎めんの?まだ交渉すんの?
……どっちにせよムダだろ」
円堂「そんなの、やってみなきゃわかんねーだろ?」
聖羅「やってみた結果がコレだろ。
あーいう人間は、一度痛い目に合わないとわかんねーんだよ。
今行っても戦わないの一点張りだってわかんないの」
円堂「…………っ」
聖羅「アイツらにはアイツらなりの考えがあるのか、それとも単に無謀なのかは知らねぇ。
けどそんな気ィ使ってるヒマも無ェんだよ」
ここまで正論を言われては、どうしようもできない。
円堂は一度冷静になって、立とうとしていたのをやめた。
その様子を察してから、聖羅は手を離す。
瞳子「……もう今日は遅いわ。日も傾いてきてるし、キャラバンへ戻るわよ」
沈黙を破る瞳子の言葉で一気に疲れが来たのか、雷門一同は素直に従って部室を後にしていく。
……が。
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雷雨(プロフ) - マミーさん» おはようございます〜。良いですよー (2021年1月23日 7時) (レス) id: b56424d09c (このIDを非表示/違反報告)
マミー(プロフ) - 雷雨さん» 名前変わりました・・・ボートに書いて大丈夫ですか?? (2021年1月23日 7時) (レス) id: 7b57897ee4 (このIDを非表示/違反報告)
ハナ(プロフ) - 雷雨さん» ありがとうございます……… (2021年1月8日 16時) (レス) id: 7b57897ee4 (このIDを非表示/違反報告)
雷雨(プロフ) - ハナさん» あ、どうぞどうぞ (2021年1月8日 16時) (レス) id: b56424d09c (このIDを非表示/違反報告)
ハナ(プロフ) - 雷雨さん» ここではなんですので、ボードに書いていいですか……? (2021年1月8日 15時) (レス) id: 7b57897ee4 (このIDを非表示/違反報告)
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