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(308)逆降伏? ページ30

姿を現したのは、ジェミニストームのレーゼ本人だった。


レーゼ「……気付いていたのか」

聖羅「……で、敵がなんの用」

レーゼ「…………」


何かを言おうとしばしの沈黙に陥るが、すぐに口を開いた。

あの自信たっぷりな態度とは違い、どこか戸惑いのようなものがある。


レーゼ「……せ、……空翼の雷門中に、俺のチームを倒してほしいんだ」

聖羅「は?なにそれ逆降伏」

レーゼ「違う!そうじゃなくて……『あの方』の目を、覚まさせてほしいから。空翼、強いだろ?だから……」

聖羅「……あの方って」

レーゼ「それは、…………」


言うのが憚られると思ったのかレーゼは言わなかった。

今更好き放題暴れた挙句、敵側に頼み事とかどう言う神経してんだコイツ。


聖羅「聞きたいんだけど、万が一雷門(こっち)が勝ったら、そっちどーなんの」

レーゼ「……負けたら、上のチームからジェミニストームは追放される」

聖羅「怖くねーの」

レーゼ「そりゃ怖いに決まってる。でも、雷門には負けても次がある。……だから、俺はお前の雷門中を、信じる」


ひとつひとつ、言葉を紡ぎ出すように話す。

その声に、視線に、怯えはあれどまっすぐだった。

……けど、


聖羅「……軽々しく『信じる』とか(そんな言葉)使うんじゃねーよ」

レーゼ「えっ……?な、何言って……」


聖羅はうつむいたまま振り返ってレーゼとの距離を詰める。

あせっているであろう彼の背には木の幹が当たり、逃げ場を失う。

幹が叩きつけられる大きな音がして、レーゼの肩がビクッと跳ねた。

聖羅が腰の真横にある木の幹を強く踏んだのだ。


聖羅は『あの時』決して声を上げて泣かなかった。

する気もないのか、そうしたくてもできなかったのか、──


聖羅「…………」


何を思ったのか、聖羅は幹の表面から足を離した。

靴底と当てていた木の間から、凍りついて剥がれた屑がパラパラと粉状になって落ちる。


聖羅「……一応言っとくけど」

レーゼ「……?」

聖羅「テメェのチーム倒すのはあたしじゃなくて雷門中(アイツら)だし。
自分から潰してほしいって言ってくるドマゾなんか相手にもなんねぇ。頼む相手間違えんなボケ」

レーゼ「う、……うん」

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作品ジャンル:アニメ
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雷雨(プロフ) - マミーさん» おはようございます〜。良いですよー (2021年1月23日 7時) (レス) id: b56424d09c (このIDを非表示/違反報告)
マミー(プロフ) - 雷雨さん» 名前変わりました・・・ボートに書いて大丈夫ですか?? (2021年1月23日 7時) (レス) id: 7b57897ee4 (このIDを非表示/違反報告)
ハナ(プロフ) - 雷雨さん» ありがとうございます……… (2021年1月8日 16時) (レス) id: 7b57897ee4 (このIDを非表示/違反報告)
雷雨(プロフ) - ハナさん» あ、どうぞどうぞ (2021年1月8日 16時) (レス) id: b56424d09c (このIDを非表示/違反報告)
ハナ(プロフ) - 雷雨さん» ここではなんですので、ボードに書いていいですか……? (2021年1月8日 15時) (レス) id: 7b57897ee4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アッシュ | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2015年12月31日 19時

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