第519Q 降旗の理由 ページ19
降旗と赤司の圧倒的実力差のマッチアップ。
「おいコラ…木吉ぃ…テメェらの血は何色だァ！？」
降旗を哀れんでか、根武谷は震えながらそう木吉に尋ねた。
「え？」
「え？じゃねぇわ！
あのガキ木っ端微塵にされんぞ！！もはやホラーだよ、怖くてこっちが見てらんねぇ！
悪いこと言わねぇからもっとマシな奴に代えろ！
赤司にそーゆー冗談は通じねんだって！まじで！」
「お前って実は優しいよなぁ」
「アホか！」
「けど、大丈夫。こっちは大真面目さ。」
ボールを持った赤司に降旗の対するプレッシャーは中々の物。
その頑張りには実渕も目を丸めた。
だが、その頑張りも赤司の前では話になるレベルではない。
「(やはり話にならない。
わざわざパスターゲットを探す方が手間なくらいだ。
どういうつもりか知らないがもはや選択肢は1つだな。)」
あっさりと彼を抜き去りペネトレイト。
瞬間、赤司の視界に入ってきたのは火神であった。
誠凛の狙いの１つはこれ、赤司に対する火神の早めのフォローであった。
先程赤司に敗北した火神を懸念する氷室だが、隣の紫原からの言葉にそれは払拭される。
「(早めのヘルプ…だか、止められるのか！？)」
「……あ、そーか。赤ちん、あの位置だと
アンクルブレイクできない…かも。」
赤司に抜かれた降旗の葉山へのフォローも早い。
降旗がコートへ入る前、リコは彼にこう告げていた。
「いい？とにかく今何とかしなきゃいけないのは黛君よ。彼を自由にさせてしまうと1パスが即失点に繋がってしまう。それだけは避けなければいけないわ。
だから彼はAちゃんをつける、これはまず必須よ。そしてここからがこの作戦の肝、
降旗君にはフェイスガードで3Pだけ撃たせないようにして赤司君をわざと中へ侵入させて欲しいの。
目的はそこで火神君をヘルプでぶつけるためよ」
アンクルブレイクは相手の重心を崩すために必ずドリブルを切り返す。
そのためある程度スペースが必須なのだ。
しかし、人の密集する3Pライン以内に入ってしまえばそのスペースはない。
これは誠凛が作った洛山に対する罠なのだ。
この状況に青峰は軽く笑い、こう呟いた。
「罠の入り口がでかすぎて赤司も気づくのが遅れたな。
まず黛封じ、そしてアンクルブレイクをできない場所で赤司に火神をぶつけること、それが誠凛の狙いだ。」
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作者名：ざわわ | 作成日時：2019年2月27日 0時
