【七種茨】最近副署長は社内デザイナーと仲がいい【あんスタ】

軽装 ページ26

「い、茨さん」



へっぴり腰になる私を不思議そうに見つめながらも、先程凪砂さんが出ていったESの出入口に目をやる。




「先程、閣下がいらっしゃいませんでしたか？………何かありました？」



「い、いえ、何も………ボールペンを渡しに来てくださっただけです」


「………左様ですか。」




私の手に持っていたボールペンをちらっと目に入れ、納得した様子の茨さん。



なんだか、今会うのは少し………
気まずい……かも。




「あっ、あのっ、私………今日はこれで、失礼します！お、お、お疲れ様でしたっ…………」





念の為持ってきていた荷物を持って、逃げるようにその場を離れていく。





＿＿＿＿＿＿が、





ｸﾞｲｯ






「＿＿＿＿＿＿＿っえ、」



不意に、腕を掴まれた。







「この時間にそんな軽装で帰るのは危険です。………少々お待ちください。駅まで送ります。」




硬直した私を確認して、腕を離し、

茨さんはその場を離れた。






っっっび、





びっくりした………＿＿＿。



確かに、もう夜は遅い。


この辺りの警備はしっかりしてるとは言え、フラフラと女ひとりで出歩くのは少々はばかられる暗さ。




「……………＿＿＿＿＿」





茨さんは、私を心配しての行動だと理解しているが。

ただ、



さっきの話の直後だったので、少し………



茨さんは私といても、いいのだと




私といても、不快ではなく、むしろ落ち着ける環境なのだと




＿＿＿＿私と、同じく、あの空間に癒しを感じていたのだと



そう思うと、



ほんの少し、心が軽くなった。

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