早口熱血漢×武闘派少女ってアリ？【早川充洋】Part4♪ (ページ8)

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108彼方の記憶(後) ページ8

私が何も言わないのをいいことに男子たちは言いたい放題言う。

恥ずかしくて、悔しくて、でも何も言えない自分がはがゆくて……

でもそんな時･･････

『うあしおをバカにすうなぁあ!!』

大きな声にハッと前を見る。

そこには先ほどまで私の後ろに隠れていた早川が前に出て私を庇うように手を広げていた。

『あ？なんだって？？』

『宇宙人がなんか言ってるぞ？お前はとっとと宇宙に帰れよww』

それを可笑しそうに男子たちは嘲笑う。普段の早川ならこの時点で泣きだしている。

でも今日の早川は引きさがらなかった。

それどころか……

『う………っうぉおおおおおおおおっ!!』

『は、早川!?!?』

男子達に立ち向かっていった。

『うわっ宇宙人が襲って来やがった。』

『えー？いって!!おいテメェ何しやがる!!』

『うあしおにっあやまえ!!』

『はぁ？なんて？』

『つか、いてーじゃねぇかよ!!お前謝れよ!!』

『おまえらがわういんだお!!はやくうあしおにあやまえっ!!』

それから『あやまえったあ、あやまえ!!』と連呼しながら喧嘩する早川。

だが、やはり当時は敵わなく、最終的に私が倒したんだけど･･････。

『ぐっす、えっぐ・・・』

『もー、泣かないの、早川。男の子でしょ！』

『だってうあしお、あいつあ、うあしおのわうぐちゆって･･････』

『もー、そんなの気にしてないわよ。早川が怒ることないじゃん。』

『でも～ぉ・・・ふぇ』

『おひとよしだなぁー。ほら、おうちもうすぐだよぉー。』

.

.

夏の時に思い出せなかった部分。それは自分の嫌な過去のことを忘れたかったから。

それと同時に早川の優しさも忘れていた。

バカみたいに素直で優しくて、私のこと慕ってくれて……

なのにわたしはずっと毛嫌いしてて……

あいつの思いやり見ようともしないで……何が優しい嘘よ。

あんなのただの一部にしかならない。

ずっとずっと、早川は私のこと考えてくれて……

夏合宿で助けに来てくれた時も…

IHのあの時も…

自転車だって……

あの時貸してくれたノートだって…

強制退部させられた時だって…

夜の展望台の時だって……………

みんなみんな、早川に助けられた。

バカと言ってくる私に離れずついてきてくれた。

ごめんね、早川……それから、

ありがとう、早川。