【刀剣乱舞】人外神父と逝く、ブラック本丸改正 (ページ8)

今日:14 hit、昨日:14 hit、合計:76,945 hit

7.心配無用、これで何回目？ページ8

それには長谷部と不動、巴形と歌仙は目を丸くした。
まあこんな真名染みた偽名を持っている審神者なんて私以外いませんでしょうし。

貴『本名は別であります』

そう驚かないでくださいよ。と笑い、小屋の中へ入った。

.
｢そんでA、なんでお前は此処に来た｣

不動と巴形は審神者に対する嫌悪は薄いため、此方に着いて貰えました。不動はまだ私を信用しておられない様で、主ではなくAと呼んでいます。

貴『分かりませんね。突然連れて来られたんですから。政府からは強制され、刀剣からは帰れと言われ、帰りたくとも帰れないのです』

｢だがどうしてもと押せば、帰ることは出来るのだろう？｣

巴形が不思議そうに尋ねる。

貴『そうですね。本来ならばそう言い、早く家に帰ってやる事をやりたいですね。買い物途中でしたし、食事と風呂、数少ない教徒との聖書を朗読。今宵の祈りもまだですし』

｢な！？聖書とは！？｣

長谷部と歌仙が興味津々に見つめてくる。ああ、この二振持ち主がキリシタンでしたね。

貴『毎夜、小一時間の朗読です。が、今はこんな話をしている場合ではないですね』

これからどうするか。あの反応でしたら、私は平気でも彼らが限界でしょう。戦闘経験が浅い私と、軽傷の巴と不動と長谷部、初期状態の歌仙では分が悪い。
かと言い、長々と説得する事も出来ません。
彼らの過去を知らない部外者が、ずかずかと侵入してはなりませんから。ああ面倒、悩む事自体が面倒。

貴『とりあえず、私はもう一度あの本丸へ行きます』

｢！馬鹿を言わないでくれよ！死に行く様なものじゃないか！｣

歌仙が必死にしがみつく。
心配は無用だと言っているのに。流石に怒りますよ？

貴『……歌仙。貴方は全く私を信用していない』

貼り付けた様な笑みで、目を薄く見開き歌仙の方を見る。

貴『心配して下さるのはありがたい、だが何度も聞かないで頂きたい。同じ事を繰り返し言われるのは、大っ嫌いなんです』

これほど近侍に、信用されてないなんて。

貴『ただ見守っていなさい。私は、大・丈・夫です』

唖然としている彼らを他所に、歌仙を離し小屋の扉を強引に開けて本丸の方へ歩を進めた。

.
三日月side
あの審神者、Aとやらが姿を隠した。何気ない笑みを浮かべてはいたが、奴もまたレアな者たちを求め前任の様に仲間を折るだろう。どうしたものか…。

｢三日月｣

｢どうした小狐｣

同派の小狐丸が、耳打ちをしてきた。

｢＿｣

ああ、なるほど。