6.助け舟 ページ7
｢大丈夫ですか？主｣
貴『ええ、大変誠に感謝致します。＿へし切長谷部』
刀剣達から逃げている最中、へし切長谷部が私たちを敷地の山へと導いた。彼らは私を見失い、難なく逃れる事が出来た。
｢どうか、へし切ではなく、長谷部と言ってください｣
貴『はい、では長谷部。何故、私たちを逃がしてくれたのです？あの本丸産とは言え、審神者に恨みなどはないのですか？』
長谷部は難しい顔をした。
｢審神者は、もちろん嫌いですよ。しかし、俺は貴方に危害を加えたくはありません｣
｢主命が欲しいからかい？｣
歌仙が背後から尋ねて来る。狐を小脇に抱えて。
｢…それもあります。ですが俺は、貴方が悪い人間だとは思わないです。その身から滲み出る霊気はとても清浄で、心が浄化されるようなのです｣
そりゃそうでしょうね。それに私、審神者以前に人間じゃありませんし。
貴『それはそうと、長谷部。貴方は実装された年が早かったそうですね。よろしければ、本丸の状況を教えて頂けませんか？』
｢…承知致しました。隠れ家に行きながら話しましょう｣
長谷部から色々と話を聞いた。まずあの本丸は、前任が三日月宗近を欲しいが故に、弱い刀を折ってしまった。これは政府の方で聞きました。
折られたのは粟田口、三条、来、貞宗、長船、左文字。それ以外には、三池、青江、村正、兼定、堀川、虎徹、江…。
持っていたメモ帳に名前を書いていますが、どう考えても折りすぎです。
｢まだ来ていない刀も居ますが、現在の刀剣は俺とある刀を含め30振前後。ほとんどの刀派が兄弟を折られています｣
｢僕を忘れないでおくれ｣
歌仙が不満そうな声をあげる。歌仙も刀でしたね。
｢あの、審神者様、ぼく一度政府の方に戻ってもよろしいですか？状況を報告したいので…｣
貴『まだダメです☆』←
隠れ家に着いた。古びた小屋でしょうか。
｢この場所は俺と、加州と、今剣しか知りません｣
小屋の扉を開くと、中から誰かが出て来た。
｢おお、へし切ぃ。おかえり｣
｢無事だったか、長谷部｣
出て来たのは、不動行光と巴形薙刀。所々傷があるけれど、本丸にいる者たちより軽い方でしょう。
｢ん？なんだこいつ｣
｢…審神者か｣
二振の目付きが変わる。
貴『どうも、
｢あ、主！良いのですか、真名を言ってしまえば…｣
貴『構いませんよ。真名ではございません』
｢え…｣
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小夜 - 面白いです。続き読みたいです！ (2020年4月28日 17時) (
レス) id: a4e120fc5e (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - 面白かったです (2020年2月15日 8時) (レス) id: 7c49b78205 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Graecia devil sardine | 作成日時：2019年12月31日 18時
