【刀剣乱舞】人外神父と逝く、ブラック本丸改正 (ページ6)

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5.八つ当たりページ6

ボロボロになった水色髪の青年、粟田口の一期一振が、強い覇気を放ちながら本体(刀)を降ろしてくる。

｢今すぐ此処から去りなさい。誰が貴方なんぞ、主と認めるか…。A｣

おや、刀剣がわざわざ審神者の名前を言うのですか。これは多分異例でしょう。それ程に人間を恨んでいる様ですね。
歌仙が抜刀しようとするが、収めるよう指示する。

貴『いきなり背後から襲うなど、貴方らしくないですね。貴方は審神者界で言う、“ろいやる”というものでしょう？』

｢…審神者なんぞ、私たちにはどうでも良いのです。政府にも、こんのすけにも、いらないと何度も言ったのに。意見を聞き入れない。欲望故に、私の弟たちは…皆、皆｣

刀が震え出す。
粟田口とは確か兄弟刀が多いんですっけ。

貴『それは、とても心苦しかったでしょう。ですが貴方は間違っている。貴方を苦しめたのは前任であり、派遣された者たちではございません』

｢…煩いっ｣

貴『いつまで前任と皆を重ねているんですか。例え恨んでいるとしても、その矛先を他者に向けるという行為は決して赦されない』

｢黙れ！！！｣

一期一振の叫びと共に、彼の後ろから数人の刀剣男士が刃を振るった。大人しく首チョンパされたくないので、すぐに躱しますが。

｢主、手が…！｣

少々掠ってしまったか。

｢出て行け、審神者…｣

｢殺してやる…｣

刃先を向けているのは一期一振に加え、蜂須賀虎徹、堀川国広、豊前江、小豆長光、陸奥守吉行、ソハヤノツルキ…。
恐らくカンストしている者たちもいるでしょう。一人一人相手をしていては、埒が開きません。

貴『歌仙、狐。此処は一度引きますよ』

.
一期side
次に派遣されて来たのは、外国人の男。

貴『本日から此処の本丸の審神者となりますは、AAにございます…』

馬鹿な男。我々刀剣男士の前で真名を言ってしまえば、呪術を掛けられると言うのに。
何より私が気に入らなかったのは、あの男の笑みだった。何が面白いのか、何が楽しいのか分からない。
ずっと笑っている。感情も読み取れず、何を考えているのか…。不気味だった。
弟たちがいなくなった私にとって、それはとても腹立たしく思えた。
審神者が大広間から出て行き、しばらくして背後から襲った。だがその男は、あの笑みを保ちながら私の刀を片手で受け止めた。
腹立たしい、腹立たしい。腹立たしい。
今すぐにでも首を撥ねてしまいたい。
あの表情が崩れる瞬間を、この目に焼き付けてやりたい。