【刀剣乱舞】人外神父と逝く、ブラック本丸改正 (ページ33)

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32.侵入ページ33

貴『……』

廊下に立ち止まり、暗くなっている奥の一点を見つめた。

｢主様、どうかなさいましたか？｣

貴『……居ますね。二、三くらい』

三振は頭に？を浮かべ、廊下の先の暗がりと私を交互に見る。見える訳がないでしょう。何せ見ている場所には、彼らには見えぬ“壁”があるのですから。
恐らく前任が二代目の呪術の類でしょう。刀剣男士には不可視な壁、これを解くのは容易いですが面倒な事に、この先に件の三振いるんです。彼方からも此方は見えない様ですが、気配で気付かれてしまう。
それに…、

貴『とりあえず…此処は後回しでいいでしょう。別の場所へ行きましょう』

｢だ、だが…｣

歌仙が何かを言おうとするのを遮るように、さぁさぁと三振の背中を強めに押す。歌仙と白山が疑問に思っている中、青江はちらちらと廊下の方を見ていた。
恐らく彼には感ずかれている事でしょうね。

あの先には刀剣と影じゃない奴らもいる。

.
？？？side

｢…んで、審神者の部屋は此処か｣

｢はい、此処です｣

こんのすけに案内され、審神者部屋まで来た。綺麗に閉じられているが、その中から大量の霊気と微かな神気を感じられる。

｢暗くなったから明かりを付けるね｣

そう言い眼鏡の男、南海太郎朝尊は政府から持ってきたランプを付ける。奴の生まれた時代の影響もあるが、今はそれ所じゃねえ。
審神者部屋の扉を開け中に入る。部屋の隅には駅弁のゴミと、しわくちゃになり放置された大きめの和服。
相変わらずの様子に、溜息を漏らす。

｢(変わらねぇな、あいつ)｣

｢これは…審神者のか｣

｢はい、本来は着替えて貰うはずなのですが、審神者様が予想外に大きく羽織ってもらっていたのです｣

｢！？｣

横で話している奴らを無視し、俺は先程から気になっていた押し入れを開ける。そこには短刀やら脇差やら打刀やら、太刀やら薙刀やら槍やら。
自分の担当する本丸のタブレットを使いコードをハッキングし、刀帳の履歴を確認する。
短刀:北谷菜切、太鼓鐘貞宗、不動行光、謙信景光。
脇差:堀川国広。打刀:加州清光、鳴狐。
太刀:鶴丸国永、鶯丸。薙刀:巴形薙刀。槍:蜻蛉切。

｢おいこんのすけ、この押し入れン中の刀剣、これで全部か｣

｢…はい、ですが数振足りません。脇差のにっかり青江、剣の白山吉光、打刀のへし切長谷部。そして、審神者様、＿A様の初期刀である歌仙兼定です｣

所々暗い刀剣男士の欄が多い。

｢(つーか、どんだけ刀剣バキバキ折ってんだよこの本丸)｣