【刀剣乱舞】人外神父と逝く、ブラック本丸改正 (ページ22)

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21.刀装ページ22

貴『…ですが、彼らの怒りや恨み辛みは収まるどころか増えるばかり、なので私が呼ばれこの本丸を友に戻す様に言われました』

気付いた時には、北谷菜切はポロポロと涙を流していた。

｢酷い、酷いよ。おれが埋められてる間に、そんなことが…。前任、許せない…｣

貴『…彼らは前任と人間を重ね続けている。まだ私も此処に来て数時間しか経っておりませんが、状況を理解しています…』

今、私たちが刀剣男士(彼ら)を救出せ(たすけ)ねば、いずれ本丸ごと穢れと悪念に呑まれ、敷地の外に被害が及ぶだろう。
“完全に壊れない程度に、半壊させなければ”

｢A、急いで蜻蛉切を見つけよう｣

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？？？side
昨夜から外が騒がしい。
同田貫は刀持って出て行き、朝になっても戻って来ない。
そう言えばここ数年、人の気配がしてはすぐに消え、その数ヶ月後に次の人の気配がしてまた消える。の繰り返しだった。
その度に同田貫は外に出て行き、気配が消えた数分後に戻って来るはず。なのに今回は、数時間が経っても、朝になっても戻って来る様子はなかった。
それ以前に、ずっと人の気配が消えないし、断末魔も聞こえない。そもそもこの気は人の気配なのだろうか？
数振の刀剣男士がバタバタと廊下を歩き、その気配を感じ取って向かっている。はずなのに、気配は一向に途絶える事は無かった。

｢行くな。人間なんぞ放って置けばその内死ぬ｣

彼の声にはっと、意識を戻す。
そうだな。
俺たちは隠れて居なくてはならない。
あまり外に出ては行けない。そうでないと、一期と三日月に煩く言われるからな。

｢だがこんな生活は、いつまで続くのだろうな！｣

｢…そうだな｣

.
｢主～、見つけたよ～｣

北谷菜切は縁側を走ってきた。

貴『蜻蛉切…ですか？』

｢違う。でも見つけた｣

こっちこっち、と手を引く。後ろを見ると、青江と鶴丸は縁側にしゃがみ込み何かを作っている。ちなみに何を作っているのかは、まだ秘密らしいですが。

｢これそれ｣

貴『おや、これは…刀装？』

｢とーそー？｣

北谷菜切が見つけたのは、金の半壊した刀装。
確か刀剣男士が戦闘に行く際、持っていく物ですよね？何故此処に…。

｢不思議～、さっきまではなかったよ｣

貴『……………はい？？』

さっきまでは？
という事は、誰かが僅かな時間で此処に置いたのでしょうか。怪しいとすれば、この縁側にある部屋。
よく見れば一箇所に穴が空いている。
この先にいるのは誰だろうか。