【刀剣乱舞】人外神父と逝く、ブラック本丸改正 (ページ3)

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2.強制任務、なんでしょう？(黒笑) ページ3

｢主、大丈夫かい？｣

政府で初期刀として選んだ刀、歌仙兼定を侍らせ門の前へ。刀の付喪神なのですから、人ではないですね。それなら平気です。

貴『ご心配いりませんよ？』

｢この本丸は最初の審神者様が、強い刀欲しさ故に弱いと思った刀剣男士を折ってしまいました。もちろんその審神者様は追放されました。が、本当に最悪だったのは、次の審神者だったのです｣

狐が詳細をブツブツと言う。次に来た審神者は暴力、夜伽、任務放棄、刀剣破壊などが多かったそう。そんなもの一向に興味ありませんが。

｢…以来この本丸を危険であると判断し長年放置状態でした。ですが数年前から改正するべく、何人かの審神者を派遣。ですが生きて帰ってきた者は一人もおりません｣

貴『そうですか。…狐。何故に政府は何人も派遣させたんです？』

｢改正のためですが…｣

貴『そうではありません。何故、危険だと分かっていて派遣を寄こしたのですか。そうなるという事は、元から分かっていたのでしょう？』

目を薄く開き、こんのすけを睨んだ。

貴『最初に理解していたはず。なのに何故わざわざ派遣を寄越す？これでは今までの若人らの努力を無駄にして来たようなものですよ？』

まあ、私が何を言おうと無駄でしょう。政府がこんな人外畜生一匹の意見を聞き入れはしないでしょうし。
門を叩く。

貴『Grossier tard dans la nuit』

｢｢なんて？｣｣

歌仙と狐の声を被せる様に、門が軋みながら開いた。と瞬間に、中の方から数本の刃が飛んで来る。

｢主！｣

小癪な。歌仙と狐を抱え、数メートル退く。
当たらなかった刃は、重力に従い地面に突き刺さる。帰れって事ですか。そんな事出来ようものなら、今頃こんな所おりませんよ。

｢あれは、太刀の小狐丸と一期一振と鶴丸国永。槍の日本号と蜻蛉切。打刀の同田貫正国と長曽祢虎徹です｣

貴『相当やばいですな』

でも政府の方が余程やばいです。こんなになるまで放っておいたとは。馬鹿らしい。
刀の前まで戻り、一本一本を抜き取る。
刃こぼれやヒビが目立ちますね。破壊寸前でしょうか。そうなるまで粘って投げてきた事は褒めてあげましょう。
中へ入る。池の水は濁り、観葉植物や植木や草花が枯れ、内の城壁は斬り跡と血痕がある。穢れた霊気が、重々しく漂っている。
母屋らしき建物から、無数の殺意と嫌悪を感じる。心にもない出迎え御苦労様です。

｢主、気を付けておくれよ｣

貴『はい(二回目…)』

やはり人間はいけ好かないものですね。