【刀剣乱舞】人外神父と逝く、ブラック本丸改正 (ページ17)

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16.チート？…いえ、普通ですページ17

青江と共に厨を出る。

貴『青江、貴方は目立った外傷はないですね。ずっと篭っていたからですか？』

｢それもあるんだけど、前任が僕の存在を忘れていたからかもしれないね｣

そうですか。と思っていたら、突然障子から刃が現れ青江と共に退いた。

｢…ッチ、外れた｣

刃は部屋の中に戻り、直後に障子が荒々しく蹴破られる。中から出て来たのは二振、傷だらけの同田貫正国と、全身白の鶴丸国永。大広間に居た二振だ。

｢当たったか？｣

｢いや、掠りもしなかった。だが次は仕留める｣

シュッ！と空気を切り、刃先を向ける同田貫。すると隣に居た鶴丸は、おやおや？と不思議そうに青江を見た。

｢そこに居るのはにっかり青江じゃないか、まさかアンタもそのAって奴の見方なのか？｣

｢そいつを主と認めンのかよ…｣

｢…まだ主とは認めては居ないけど、協力者にはなるよ。この人には、僕との“約束”を果たして貰うんだ｣

｢は！約束だぁ？そんなん審神者が死んじまえば終わりだろ。くだんねー事するなよ。前の審神者も果たすとか言いながら、逃げようとして蜂須賀の奴に首斬られただろ｣

｢あの時は驚きだったなあ煩く泣き叫んで、｢好きな様にしていいから命だけはっ！｣と言って。だから俺たちは好きな様に(抑えて斬首)してやった｣

今回の審神者は、どんな驚きを届けて頂けるか？
鶴丸も刃先を私に向けて来る。

貴『驚きですが。…しょうがないですね』

｢何だ降参するか？｣

私は首を振り、口角を上げた。
これは人間相手に見せたくないのですが、刀剣男士ならば構わないでしょう。青江から横に数歩離れ、壁の柱に右足を掛けた。

｢何をして…｣

貴『とくと御覧なさい。これが私の驚きです』

右足を柱に掛けた状態で、もう片方の左足をあげる。
＿すると転けることなく、“横向きに立った”。

｢な！？｣

重力に逆らい壁を平然と歩き、“天井に立つ”。長い腕で青江を脇に抱えた。天井が低いので四つ這いになって逃げる。

｢逃がすか！！｣

貴『それならそうと捕まえてみなさい！』

もちろん笑みを保ちながら。

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鶴丸side
毎回毎回、派遣の審神者が来ては捜して殺す。その繰り返し。それに飽きていた頃、あの男が来た。
AAと言う男。そいつは見た目から驚きしかない。背は高いし、外つ国の長谷部みたいな黒い服を着ていたし。何を言ってもずっと笑ってるし…。
壁と天井に立った時は声も出なかった。

不覚にも、あの審神者が気になっちまった。