【刀剣乱舞】人外神父と逝く、ブラック本丸改正 (ページ16)

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15.片目同盟ページ16

｢此処はよく歌仙と燭台切が食事を作っていたよ。彼らの料理はすごく美味しかったんだ｣

貴『彼は今…』

｢分からない。僕は長い間部屋に避難していたし、もしかしたら血眼で君を捜しているかもね。太鼓鐘くんと大倶利伽羅が居なくなってからずっと…、まるで人が変わったみたいに料理を一切しなくなった｣

それほどに、太鼓鐘と大倶利伽羅は大事な仲間だったのですね。粟田口派を揃えた後に、彼らも揃えなくては。

｢二刃(ふたり)だけじゃダメだよ。長船派と貞宗派も揃えなくちゃ。長船派は謙信景光、小竜景光、大般若長光。貞宗は物吉貞宗、亀甲貞宗の計五振｣

五振とも“レア度”が高いんですよね。懐に入れて置いた刀帳を開く。長船は確か古備前派生、鶯丸と大包平にはバツが付いていない。つまり二振はまだ折れていない。
そして彼らも大広間には居なかった。

｢鶯丸はいつも大包平とお茶を飲んでるよ｣

貴『この本丸は籠る方が多いですね。ですがその分、廊下に徘徊しているもの達が限定されていきます』

青江に刀帳を見せると、彼は次々と指を指す。

｢三条と粟田口、虎徹は注意した方が良いよ。特に三日月と蜂須賀と一期、彼らがこの本丸の刀剣男士を率いてるから｣

RPGでいう敵の真核。彼らは皆実装が早かった。
ある程度の者はカンストしているのですね。何とも面倒だ。

貴『それにしても青江、貴方は何故私に協力的何ですか？審神者は、嫌いなんでしょう？』

｢……そうだね。でも僕が嫌いなのは初代と二代目だし、人間そのものが嫌いな訳じゃない。それに派遣された審神者で無傷なのは、君が初めてだから…かな｣

ほとんどの審神者は、僕に会う前に怪我をしてるか死ぬかだから。

貴『私に興味でもあるんですか？』

｢ああ、君なら本丸を救えると思ったから。だから僕もこうやって情報を君に教えている。でも、まだ完全には信用出来てはいないね｣

にっこりと笑いながら右前髪を耳に掛ける。私も笑みを保ちながら尋ねた。

貴『交渉でもするんですか？』

｢勘がいいね。でも少し惜しい、“約束”かな｣

貴『ほう。その約束とは如何なものですか』

にっかりは右目、赤眼を見せて妖美に笑う。

｢天下五剣の、数珠丸恒次を鍛刀してくれるかい？｣

数珠丸恒次、確かにっかりと同じ青江派でしたね。三日月の次に希少と言われる、あの天下五剣のですか。

貴『承知致しました。全てが落ち着き次第、彼を鍛刀させましょう』

｢成立だ｣

青江と手を取り、握手をした。