「私のイノセンスだけね、人の言葉をしゃべれるんだよ。」 ページ9
「そんなことが…」
リナリーちゃんが眉尻を垂れて、心配そうに俯いた。
アレン君も、両腕を組んで瞳を伏せている。
ただ一人、ミランダさんが口元に手をあて、何か思うところがあるように見えた。
「でも、まだ取り戻せるチャンスはあるのよね？」
「…はい。というか、取り戻してみせます。」
ふわりと笑みを浮かべた私に、三人は少しだけ笑みを浮かべた。
だけどすぐに、ミランダが続けた。
「リナリーちゃんも、一度同じことになったわよね…？」
その言葉に、リナリーちゃんは神妙そうにうなずいた
それは初耳だ。そう思いながら、私はじっとリナリーちゃんを見つめた
「その時は、リナリーちゃんは…？」
「確か…教団にレベル4が侵入して…私はヘブラスカのところに行って、液体化したイノセンスを飲んで…」
「それで今の結晶型になった、と…」
アレン君の聞き慣れない単語に、私は思わず聞き返した。
「結晶型、って何？」
「あまりよく解明されていませんが、血を媒介にしてそこからイノセンス自体が武器を生成していくタイプみたいで…今のところ、起きているのはリナリーと神田だけです。」
「神田さんも…。」
血で発動するイノセンス？
つまり第三の型が現れたって言うことか…。
そしてその第三の型は、装備型と寄生型が合わさった第三の選択肢。
「興味深い…ね？」
「いまだにあまり判明されていないんですよ。ただこれからも結晶型が増えていくかもしれないということだけで。」
「そう…なんだ。」
結晶型か。
…どう考えても、今の私には関係なさそうな話だな。
とにかくどうやってイノセンスを取り戻すか、考えないと。
「私に欠けているのは、イノセンスを信頼する力だと思うんだよね。」
「信頼？」
「そう。皆にとってイノセンスはもう自分の一部でしょ？」
その問いかけに、アレンやリナリー、ミランダは顔を見合わせた。
そして同意の意を示し、頷く。
「それは…まぁ、」
「でも私は、イノセンスが自分の一部であることを否定した。拒絶したんだ。」
「イノセンスを、拒絶？」
繰り返すアレン君に、私は頷く。
「だからイノセンスと私は一つだったはずが、私の拒絶の意が強すぎて二つに分かれてしまった。そしてイノセンスがどんどん自我を持ち、シンクロ率は下がる。これが今私の推測。」
「ちょ、ちょっと待って、自我って…」
リナリーちゃんの言葉にうなずいた。
「私のイノセンスだけね、人の言葉をしゃべれるんだよ。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 38人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
∧∧ﾈｺﾐﾐ∧∧@元うにゃ(プロフ) - ログ@エネさん» ちょっｗ興奮しすぎじゃき（ 読んでくれてありがとう！少しずつ二人の仲を近づけていきたい！…です（ (2014年5月17日 19時) (
レス) id: c31f9c6564 (このIDを非表示/違反報告)
ログ@エネ(プロフ) - おおおおお？ついに？ついに？ラビへの思いに気づくか？ (2014年5月17日 0時) (レス) id: 4873300096 (このIDを非表示/違反報告)
∧∧ﾈｺﾐﾐ∧∧@元うにゃ(プロフ) - 夏みかんさん» そんな嬉しいこと言わないでください…マジで感激で泣いちゃいますよ>< 本当にありがとうございます！いつも閲覧頂き、感謝の気持ちでいっぱいです。これからもどうかよろしくお願いします！ (2014年5月12日 17時) (レス) id: c31f9c6564 (このIDを非表示/違反報告)
夏みかん - 素晴らしいです。あぁ、めっちゃ好きです！更新頑張って下さい。 (2014年5月12日 15時) (レス) id: 6748ba7e6c (このIDを非表示/違反報告)
∧∧ﾈｺﾐﾐ∧∧@元うにゃ(プロフ) - 羽さん» 楽しませることができて光栄です！更新、頑張らせていただきますね＾＾ (2014年5月3日 23時) (レス) id: c31f9c6564 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：∧∧ﾈｺﾐﾐ∧∧ | 作者ホームページ：
作成日時：2014年1月12日 15時
