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「あ、それはないね。」 ページ10

えぇえええ!?という悲鳴が談話室中に響き渡った。
同じく談話室にいた探索部隊や化学班の人たちが一斉に何事かとこちらを見てくる。
それに私は慌てて頭を下げて、みんなを黙らせた。

「も、もしかして…Aのイノセンスがハート…!?」
「あ、それはないね。」

ハートの存在は以前からクロス師匠からよく聞かされている。
まるで魔法のような存在。
聞いた時点で、脇役その1である私のイノセンスがハートなわけがないと決めつけていた。

「大体、私のイノセンスが喋れるといっても、私の心のうちにから語り掛けている感じ。一度夢の中で彼女の姿を見てみたけど、私の姿だったし私の声だった。」
「でも、喋れるなんて異例ですよ…!」
「それは違う。絶対にみんな出来るから。」

確証をもってそういうと、みんなの視線が私に集まってきた。
三人の視線が集まって、私は少しだけ人見知りが勃発した。

「私のイノセンスが自我を持ち始めたって言うのは、結構最近のことだったの。そして私はイノセンスを生まれ持って育った。まったく理屈や理由とかは分からないけど、今分かることは、私のシンクロ率が生まれた時から今までずっと低かったと思われること。」

その言葉に、三人は顔を見合わせてまた向き直った。
今まで何度か、イノセンスの力が不安定だった時があった。
私はそれを、自分が未熟なせいだと思い込んでいたけど、今ならわかる。
不安定になった時いつも、シンクロ率が通常を下回っていたはずだ。

「そして私は生まれ持ったこのイノセンスを忌み嫌っていたこと。まだ理由はあるかもしれないけど、今はそれを繋ぎ合わせてみて考えよう。私自身のイノセンスに対しての嫌悪がイノセンスを私から切り離した。切り離されたイノセンスは私の体を離れることができず、滞在。徐々に自我を持ち始め、人の言葉をしゃべり始めた。」

私の淡々とした説明に納得しそうで納得できないのか、三人とも不思議そうな顔をしていた。
これでも二日間ずっと考えていたんだ。寝る前だって。
自分でも信じがたいことだけど、これ以外に回答は見つからなかった。

「早くシンクロ率をあげないと、シンクロ率は下がる一方、そして咎落ち。けど恐らく、シンクロ率を上げれば、イノセンスは私のものになる。そしてイノセンスも、自我を失う。」
「…すごい突飛な話…」
「正直言って、信じられませんよね…」
「だけど不思議と頷けるわ…」

各々の感想を聞き、私は安心した。
何とか納得してくれた…。

怖さで死ねる。→←「私のイノセンスだけね、人の言葉をしゃべれるんだよ。」



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作品ジャンル:アニメ
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∧∧ネコミミ∧∧@元うにゃ(プロフ) - ログ@エネさん» ちょっw興奮しすぎじゃき( 読んでくれてありがとう!少しずつ二人の仲を近づけていきたい!…です( (2014年5月17日 19時) (レス) id: c31f9c6564 (このIDを非表示/違反報告)
ログ@エネ(プロフ) - おおおおお?ついに?ついに?ラビへの思いに気づくか? (2014年5月17日 0時) (レス) id: 4873300096 (このIDを非表示/違反報告)
∧∧ネコミミ∧∧@元うにゃ(プロフ) - 夏みかんさん» そんな嬉しいこと言わないでください…マジで感激で泣いちゃいますよ>< 本当にありがとうございます!いつも閲覧頂き、感謝の気持ちでいっぱいです。これからもどうかよろしくお願いします! (2014年5月12日 17時) (レス) id: c31f9c6564 (このIDを非表示/違反報告)
夏みかん - 素晴らしいです。あぁ、めっちゃ好きです!更新頑張って下さい。 (2014年5月12日 15時) (レス) id: 6748ba7e6c (このIDを非表示/違反報告)
∧∧ネコミミ∧∧@元うにゃ(プロフ) - 羽さん» 楽しませることができて光栄です!更新、頑張らせていただきますね^^ (2014年5月3日 23時) (レス) id: c31f9c6564 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:∧∧ネコミミ∧∧ | 作者ホームページ:   
作成日時:2014年1月12日 15時

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