【D.gray-man】 Sorry but Goodbye -Secondo-

「「っしゃぁ！」」 ページ44

私いわく似非銃を握りしめながら、ラビを見よう見まねで構える。
ラビはイメージ通りこういうものは慣れているらしく、鼻歌を歌いながらうきうきと笑みを綻ばせていた。
にしても、普段は黒の教団に缶詰だというのに、いつゲームセンターなんて行く暇があったんだろう？
エクソシストになる前かな...？

そういえば、私みんなの過去の話とかあまり聞いたことないなぁ。
クロウリーさんだけか、知ってるの。
まぁ確かにあまり話すようなことじゃないよな...エクソシストはみんな過去に何かしら抱えてるって言うし。

唐突にすごい大音量でミュージックが流れ始める。
しかもなんか分からないけど、AKUMAの悲鳴のようなものまで聞こえてきた。

「よっし、スタートすんぞA！準備いいだろ？」
「え、ちょ、えっと、撃てばいいんだよね？」
「そういうこと。 よーっし、始めるぞ」

ラビは腕を真っ直ぐにのばし銃を構える。
画面には十字の形の照準が、ラビが腕を動かすたびに揺れた。
何度か骨をならして、ラビは最初の一撃を撃った。
それと同時に「START」の字が点滅し、消えた。

ヤバい、格好いいと思ってしまったのは秘密だ。
だって、エクソシストたちって、っていうか教団の中の人たちってみんな美形揃いなんだよ。
不細工が目立っちゃう...。

「おい、Aきてるぞ！」
「え、え、え？」

いつの間にかラビを凝視していたのか、目の前のでかい画面にはゾンビが迫っていた。
緑色でドロドロとしている。目は空洞で黒くて、手がこちらを求めるようにのばされている。

「うわっ、やだ！」

思わず叫びながら反射的に銃を構え撃ってしまった。
やっぱり偽物のように手応えはないし、一撃一撃が軽すぎる。
だが耳にこびりつく銃撃音が響き、目の前の化け物は血を噴き出し倒れていった。

「おっ、流石さ！」
「いやビックリしただけ...ってこのゲームグロっ、グロくない！？」
「シューティングゲームならこういうの普通さ。 ほら、どんどん次くるぞ！」
「え、ちょっと待っていつになったら終わるの？」
「全部倒したら！」
「うっそぉ！」

拙い動きでどんどん緑色のゾンビ？もどきを倒していく。
慣れず何発も外していちいちリロードに手間がかかってしまうが、その間もその間じゃなくてもラビはサポートしてくれた。
むしろ一人でも余裕じゃないだろうか。

「そいつで最後だ！」
「はい！」

二発くらい外して、ようやくゾンビもどきのドタマに撃ち込んだ。

「「っしゃぁ！」」

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