【黒○】好きすぎて、どうしよう【赤降】

第十七話 降旗side ページ18

「お待たせいたしましたーとんこつラーメンでござきまーす！」

なんて最悪のタイミング……いやいやこれでいいこれでいいんだ。ラーメン屋で告白とかあとで振り返ったらきっと残念だったって。だからオッケー、オールオッケー。というか俺焦りすぎだってば。まだチャンスはいくらでもある……はず。

「……食べよっか」

「ああ、おいしそうだ」

征は丁寧に手を合わせていただきますをして、食べ始めた。俺もいつもは言わないいただきますを言ってまずはチャーシューに箸を向けた。

食べ終わってなんて事のない会話をしたあと征が満足そうに笑って言う。

「おいしかったね。会計は僕が済ませておくから先に出ていてくれ」

「へ、は、いや俺……」

「いいんだ今日は僕の奢りだ」

征は有無を言わさず高級そうな財布を取り出してお金を払ってくれてしまった。
それよりさっき「今日は」って言わなかったか？それは明日も明後日もその先もあるって期待していいのかな？
店を出てまず口を開いたのは征だった。

「さっき、なにか言いかけてたかい？」

微笑を浮かべて首をかしげる征。どきっとした。一気に鼓動が爆発したみたいに鳴り出して苦しくなる。

「言いづらいことだったらまたあとででいいよ？いつまででも待とう……光樹のためなら」

なぜだか渇いた口から言葉が出ない。言葉は出なかったけど考えるより先に手が動いていた。

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