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── バチンッ

「ッ!?」
「Aさん!」
「…大丈夫」

造形魔法を発動させようとした時、派手に響き渡った音。それと同時に頬や腕に走った痛み。それは魔力が暴発した事で起こった現象だと妙に冷静な頭で理解する。

聞こえたジュビアの声にハッとして、前を見ればバルカンの拳が迫っていて。飛び退く形で避けて、槍を取り出してはバルカンへと突き刺す。( 武器を取り出す分には支障は、無い )

「ラスト…!」

暫くして、最後の一体へと槍を投げ付ければ、十分なダメージになったようでそのまま消滅して行く。氷床へと刺さった槍を回収しながら、ふたりの方を振り返れば、流石と言うべきか息ひとつ切らした様子は無かった。

「最初の方、凄い音しましたけど…大丈夫でしたか!?」
「嗚呼、力み過ぎたみたい。大丈夫」

はっとして此方に駆け寄って来たかと思えば心配そうな顔をするジュビア。その姿だけでもう仲間なんだなと再認識する自分が居て。大丈夫なら良いんですけどと続ける彼女に頷いて、依頼主に報告に行こうと声を掛けた。

行き同様にワイバーンの鱗の方をジュビアに、バルカン討伐をガジルに、それぞれの依頼主への報告を任せて、無事に報酬を受け取る。そして私からも余分に取った鱗を一枚ずつ、ふたりに手渡した。

そしてギルドへと戻って来て、依頼完了とふたりがきちんと熟した事をマスターへと報告。マスターが、初めての依頼はどうじゃった?とふたりに尋ねれば、それぞれの反応を示す。

「未だ不安だったら、ギルドのメンバーとかに声を掛けて見ると良いと思う。未だ帰って来てないけど、グレイやエルザ達なら連れてってくれると思うから」

グレイという名前に頬を染めながら反応した彼女に、このギルドを選んだのは矢張りそういう理由なのだろうと悟る。そしてジュビアが三等分してくれた報酬を受け取って、ギルドを出る。

「…オイ。テメェ、怪我してんだろ」
「何、急に」
「血の臭いがすんだよ。滅竜魔導士の鼻を舐めんじゃねえぞ」
「……帰って治療するつもりだから」

ギルドの門の前まで来た時、呼び止められて振り返る。其処には眉を寄せたガジルが立っていて。続けられた言葉に、思わず肩を竦める。

戦いの最中は気付いていなかったけど、暴発が起きた時…痛みが走っただけじゃなくて実際に出血もしていて。ふたりがそれぞれ報告している間に止血は済ませていたけど、流石に彼の嗅覚は誤魔化せなかったらしい。

なら良いと短く口にしてギルドに戻って行く彼に、何だったんだろうかと僅かに首を傾げつつ、歩き出した。





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ムーン(プロフ) - とてもこの作品が好きです!更新頑張ってください! (2019年10月2日 23時) (レス) id: dbcb69aa60 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紗葉 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/F0OOQB  
作成日時:2019年6月25日 16時

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