第捌拾捌夜・「信じてくれるの?」 ページ47
紅覇は私の問いには答えず･･･否、答えることができず、そっと俯いた。
辛そうな顔で。
空を見上げる。
こんなにも時間が経っているかのように思えていたのだが、
まだ空は明るく晴れ渡っている。
なんとなくだが今がお昼すぎくらいの時刻だと分かった。
「･･･戦時中にベラベラと喋ることではないが･･･
少々喋らしていただこうか―――」
エテルノ王国にいたときの口調に何故か戻ってしまいながらも、
アルバの目を真っ直ぐに見つめ、そう告げる。
アルバは小首をかしげ、にこりと笑い、「いいですよ」と肯定する。
小首をかしげた際にアルバの黒髪が綺麗にサラリと揺れた。
ちらりと煌帝国軍の先頭にいる紅炎さんを見ると、
こちらも話が気になるらしく「いいぞ」というように顎を上にくいっと上げた。
地面に目をやる。
そこにはいつの間にか倒されているエテルノ王国軍の『秘密兵器』のひとつ、
迷宮にいるような不思議な生物たちが無残な姿で横たわっていた。
この生物は魔法戦車と比べてさほど強くはないらしい。
続いてエテルノ王国軍に目をやる。
エテルノ王国軍は余裕そうな表情をしてこちらに戦いに挑んでいたのに
今では前列の軍隊は私に気絶させられ、戦車は４分の３が煌帝国軍に破壊されている。
それでもまだアルバだけは余裕綽々といったようで笑顔を崩さなかった。
焦りは、ない。
何か秘策があるとでも言うのだろうか。
「A」
不意に名前が呼ばれ、右手首をぐいと後ろに引かれる。
そのまま後ろを振り向くと、そこにはすがりつくような様子のジュダルがいた。
ジュダルは震えた声で、問いかけてくる。
「Aは･･･、俺の話、信じてくれたのか･･･?
俺のこと、嘘つきだって･･･、嫌わないでくれるのか･･･?」
ジュダルの真紅の瞳が揺れる。
掴まれた右手首から伝わる振動。
その振動はジュダルの身体が震えているからのもので。
その姿から、飼い主に捨てられた子犬を思わせた。
私はそんなジュダルを見て、左手を口元に当て、クスリと小さく笑うと
口元に当てた左手を今度は彼の額に持って行き、バチンと弾く。
――デコピンをしてやったのだ。
「私は信じるよ―――敬愛なる黒きマギ、ジュダル」
そう言って、私は彼を安心されるように優しく微笑んだ。
第捌拾玖夜・「黒きマギについて分かったこと」→←第捌拾漆夜・「思い出しちゃった分かっちゃった」
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玲琉.(プロフ) - まーちゃんさん» こちらの方も読んでくれたんですか!?ありがとうございます!!番外編は区切りが悪いしよく分からないかもしれませんがこれ一つでendです。曖昧な、よくわからない感じにしたかったので。第参章もお付き合いよろしくお願いします! (2014年6月10日 19時) (
レス) id: 7d3c1dd707 (このIDを非表示/違反報告)
まーちゃん - おおおお！番外編も面白そうな・・・！！ (2014年6月10日 18時) (レス) id: 90194117f4 (このIDを非表示/違反報告)
紅凛檎(プロフ) - 玲琉.さん» うんっ！元気だったよー！！玲ちゃんもがんばれー！！応援有り難う* (2014年5月11日 8時) (レス) id: 66a5babc27 (このIDを非表示/違反報告)
玲琉.(プロフ) - 紅凛檎さん» 久しぶり!!!元気だった!?会いたかったよー!!*。うんうん!!またお喋りしよう!! 気がついたらもう第参章だよー作者もびっくりだよー←凄く気になるなんて、有難う♪これからも頑張るね!紅凛ちゃんも頑張って! (2014年5月3日 11時) (レス) id: 7d3c1dd707 (このIDを非表示/違反報告)
紅凛檎(プロフ) - 玲ちゃん、お久しぶりです！(´∀`*) 忙しくて中々来れなかったよ〜;また、お喋りしようね♪ 気がついたらもう第参章!？わぁお!早いなぁ!第参章の予告を、見て凄く気になるよ〜！これからも、頑張って！！ (2014年5月3日 10時) (レス) id: 66a5babc27 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：玲琉. | 作成日時：2014年3月20日 22時
