第捌拾夜・「無意味、無駄」 ページ39
「･････に････」
カルラが声を出す。
その声は喉から絞り出したような、今にも消えてしまいそうな声だった。
「まだ、"僕"は弱虫のままだった････
髪色も、性格も、一人称も喋り方も!!!何もかもを変えたのに････!
何を変えたって、この日が来るのを怯えながら待つことしか出来なかった。」
「無意味･･･だったんだ。
僕らは煌帝国軍と戦争をしなければならない。
そして、そこにはエテルノ王国の第一皇女がいる。
僕はエテルノ王国の第一皇女と戦わなくてはならない。
紅炎様に駆けつけることを出来なくするために･･･
それは、『運命』だったんだ。
そう決められていたんだ。それに、抗うことは許されないんだ」
「"僕"を変えて、強気になって皆を安心させたりした。
だけど、それも全部無意味。
無駄無駄。無駄なこと。抵抗なんてできやしない。」
カルラはそう言うと、不自然に笑った。
「ただ、僕は君に悲しい思いをしてほしくなかっただけ。
･･････大丈夫･･････」
「だいじょうぶだよぉ?････そのまま沈んじゃってくれたらさぁ!!!!!」
脳天に響き渡る実に楽しそうな笑い声。
我に返って周囲を見渡すと、視界に映るのは――水。
青く、綺麗な、透き通る水。
青空と同じ色の水。
――私はどうやら罠にかかってしまったらしい。
「俺はさぁ、演技が得意なんだ。
だけど、さっきのは半分嘘で半分本当だよ。
････まぁ、信じるか信じないはあなた次第って感じかなぁっ?
A様はせいぜいそこで大人しくしててよ―――もがくとその分沈んじゃうから、
気をつけろよ? じゃっ、ばいばーい!!」
楽しげな声。
分からない答え。
見えない『正解』。
私はただ、沈み続ける。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 48人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
玲琉.(プロフ) - まーちゃんさん» こちらの方も読んでくれたんですか!?ありがとうございます!!番外編は区切りが悪いしよく分からないかもしれませんがこれ一つでendです。曖昧な、よくわからない感じにしたかったので。第参章もお付き合いよろしくお願いします! (2014年6月10日 19時) (
レス) id: 7d3c1dd707 (このIDを非表示/違反報告)
まーちゃん - おおおお！番外編も面白そうな・・・！！ (2014年6月10日 18時) (レス) id: 90194117f4 (このIDを非表示/違反報告)
紅凛檎(プロフ) - 玲琉.さん» うんっ！元気だったよー！！玲ちゃんもがんばれー！！応援有り難う* (2014年5月11日 8時) (レス) id: 66a5babc27 (このIDを非表示/違反報告)
玲琉.(プロフ) - 紅凛檎さん» 久しぶり!!!元気だった!?会いたかったよー!!*。うんうん!!またお喋りしよう!! 気がついたらもう第参章だよー作者もびっくりだよー←凄く気になるなんて、有難う♪これからも頑張るね!紅凛ちゃんも頑張って! (2014年5月3日 11時) (レス) id: 7d3c1dd707 (このIDを非表示/違反報告)
紅凛檎(プロフ) - 玲ちゃん、お久しぶりです！(´∀`*) 忙しくて中々来れなかったよ〜;また、お喋りしようね♪ 気がついたらもう第参章!？わぁお!早いなぁ!第参章の予告を、見て凄く気になるよ〜！これからも、頑張って！！ (2014年5月3日 10時) (レス) id: 66a5babc27 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：玲琉. | 作成日時：2014年3月20日 22時
