第伍拾漆夜・「似たもの同士?」 ページ16
白龍さんはそう言うと、ため息をついて木にもたれかかった。
彼の体に影がかかる。
彼は木の葉の隙間から差す日光に眩しそうに目を細めると、言葉を続けた。
「だって、大抵の女子は自分が嫌われないように演じるのに・・・
貴女は違うから」
「Aさんは・・・・・・自分を守るためにではなく、自分の意思で――っていうんですかね・・・
そんな感じに態度を変えている」
「そういうの・・・――嫌いじゃないですよ」
白龍さんは目だけをこちらに向けると、広角を上げる。
私は噴水から溢れ出る綺麗な水を見ながら、答えを出す。
「私も白龍さんの性格、嫌いじゃないよ」
―――少し似たもの同士の二人は、このあと紅玉が呼びに来るまで
にこにこと不気味な笑顔で言い合いを続けていた―――
*
*
*
白龍さんとお話していたら紅玉に呼ばれ、
紅覇専用フロアの空き部屋へと連れてこられた――かと思うと突如紅玉が言い放った。
「今から王様ゲームをしませんこと?」
紅玉はすごくわくわくしている表情をしていて、とても「え、やだ」と
断れるものではなかったので、その「王様ゲーム」をやることになったのだが
(私、運とかすごく悪いんだよな・・・)
負けとかないのだが、何故か敗北感を味わっていた。
先に空き部屋にいた紅覇は、部屋に入ってきた白龍さんに露骨に嫌そうな顔をしている。
「白龍さん、嫌われてるね〜・・・」
ニヤニヤしながら隣に座る白龍さんに詰め寄る。
すると白龍さんはむすっと拗ねたような顔をして答えた。
「俺には姉上とモルジアナ殿が居れば良いのです」
「モルジアナドノ? 誰それ」
「素晴らしくお綺麗な方です。俺の妻希望です」
白龍さんはモルジアナドノ?さんのことについて触れると少し頬を赤く染めた。
「ああ、で、フラレたんでしょう?」
「何でそう決めつけるんですか。・・・まぁ、たぶんフラレましたけど」
「ふーん。残念無念また来世」
「・・・・・・その言葉について俺はあえてつっこみませんよ」
「あははつまんない男だねー」
そんな感じで仲良く喋っていると、紅玉が「ふー・・・できたわぁ!!」と声を上げる。
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玲琉.(プロフ) - まーちゃんさん» こちらの方も読んでくれたんですか!?ありがとうございます!!番外編は区切りが悪いしよく分からないかもしれませんがこれ一つでendです。曖昧な、よくわからない感じにしたかったので。第参章もお付き合いよろしくお願いします! (2014年6月10日 19時) (レス) id: 7d3c1dd707 (このIDを非表示/違反報告)
まーちゃん - おおおお!番外編も面白そうな・・・!! (2014年6月10日 18時) (レス) id: 90194117f4 (このIDを非表示/違反報告)
紅凛檎(プロフ) - 玲琉.さん» うんっ!元気だったよー!!玲ちゃんもがんばれー!!応援有り難う* (2014年5月11日 8時) (レス) id: 66a5babc27 (このIDを非表示/違反報告)
玲琉.(プロフ) - 紅凛檎さん» 久しぶり!!!元気だった!?会いたかったよー!!*。うんうん!!またお喋りしよう!! 気がついたらもう第参章だよー作者もびっくりだよー←凄く気になるなんて、有難う♪これからも頑張るね!紅凛ちゃんも頑張って! (2014年5月3日 11時) (レス) id: 7d3c1dd707 (このIDを非表示/違反報告)
紅凛檎(プロフ) - 玲ちゃん、お久しぶりです!(´∀`*) 忙しくて中々来れなかったよ〜;また、お喋りしようね♪ 気がついたらもう第参章!?わぁお!早いなぁ!第参章の予告を、見て凄く気になるよ〜!これからも、頑張って!! (2014年5月3日 10時) (レス) id: 66a5babc27 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:玲琉. | 作成日時:2014年3月20日 22時