メカクシ団(非公式)の日常2 (ページ5)

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とあるコミュ障の話　by.シマページ5

ちょっと気が向いたから･･･
少し話をしよう。

じゃあ､ちょっと喋ろうか。
とあるコミュ障の話を。

～～～

『セーーーーン！！』
『セーーーン！！』

あれは､いつの頃だっけ･･･？

十数年ぐらい前だよな。

あの時の俺じゃ､止められなかったんだ。

小さい時から人と話すのが苦手で
友達なんて呼べるやつは､
記憶も無いぐらいの時から一緒の
アイツぐらいだった。

俺の唯一の友達。

ソイツは俺の前から消えた。

意味もわからない､理由もわからない。

ただ､理不尽なくらいの力の差で
大人は俺からアイツを奪っていった。

アイツの､助けてって叫び声が
一人公園に取り残された
俺の耳に焼き付いてた。

どうにかして連れ戻したくて

もう一度遊びたくて

俺の前にいてほしくて･･･

俺はアイツを助ける方法を考えた。

何日も何日も。

まぁ､ガキの発想力ごときで
大人に通用する救出法なんて
思いつきやしない。

せめて､アイツが今何考えてるか･･･
泣いてるのか笑ってるのか･･･
それだけでも知りたかった。

「今･･･どうしてる･･･？」
「ケガとかしてないか･･･？」
「また遊べるよな･･･？」

返答の返ってこない質問を
頭の中のアイツの笑顔になげかけた。

ーーすると聞こえたんだよ。

アイツの声がーー

『･･･ここはどこ？』
『一人はやだよ･･･』
『助けて･･･』

俺「･･・え？」

頭の中で聞こえたアイツの声に
自分は気が狂ったかと思った。

でも､目を閉じれば聞こえるアイツの声に
俺は耳をすませた。

これが俺の能力の理由だ。

俺の能力は生まれた時からじゃない。

アイツを助けたくて身につけた能力だ｡

元々はな。

でも､俺の能力なんて無力でさ･･･・

心の声が聞こえるだけで
助けることなんてできなかった。

声が聞こえるだけで話すことはできない。

ただ･･･アイツの苦しむ声が
延々と俺の頭に響くだけ。

為す術もなく､ただアイツの心の悲鳴が
俺の心を崩していくだけ。

おれ･･･・耐えられなくてさ。

何日かたってから
俺はアイツの声を聞くのをやめた。

逃げたんだよ･･･・おれ。

アイツの悲鳴から。

弱いから。

腰抜けだから。

俺には戦う術が見つからなかった。

ごめんな・･･･・

戦えなくて･･･・

助けてやれなくて･･･・

無力だな･･･・おれ。

～～～

これが俺のとある過去だ。

少し喋りすぎたな････

･･・じゃあ。