↛あなたへの好感度9% ページ9
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なんとかAは梵天に戻ってきた。戻ってきたというか、オレが無理矢理連れ戻してきたに近い。今更オレの前から姿を消すと言うのはどうしても耐えられない。拗らせ過ぎだろと自分でも馬鹿らしい。
そうして俺はやっと心を決めた。Aを振り向かせる。いつからかオレの天邪鬼な口のせいで、昔みたいに笑顔を1番に向けてくることが無くなった。後悔しても遅い、これから必死こいて修復してやると決めた。
『大丈夫?』
車を用意して、運転席に先に乗って待っていればAが乗ったのは後部座席でせっかく気を利かせて置いた飲み物が盛大に空振る。オレの隣にも座りたくねぇのか、とハンドルに八つ当たり、そうすればAが後ろから身を乗り出してオレの心配をしてきて、バッと振り向けば石鹸の爽やかなかおりが香り、淡い色の口紅が引かれた薄い唇がゆっくりと動き目を奪われて徐々に脳が掻き乱されて熱が篭っていく。
Aの手がオレの方○○/びていた、そして気づいたときには身体が仰け反っていて見えたのはAの顔ではなく腹が立つほどに晴れやかな晴天。
『……何してんの』
全くもってその通りだった。日本最大の犯罪組織なんて言われる梵天のナンバー2が聞いて呆れる。少し顔が近かったからと動揺して、運転席から転げ落ちるなんてヘタレにも程がある。灰谷兄弟なんかが見ていたら大笑いしてのたうち回ってしまいには笑い死にする気までしてくる。
Aの無様なオレに対しての感想に対して特に何も答えられずにいればオレを引きずって助手席に追いやって、水まで持たされる。オレより何万倍もスパダリ過ぎてもう嫁にしてくれ。
『もしかしてだけど、二人でだよね。飲み物違う人のかと思ってたんだけど、全然来ないから私の用意してくれたんだね、飲んでもいい?』
「うん」
ありがと、と言って助手席と運転席の飲み物の位置を交換させて、それを飲みながらAは車を走らせた。伏せていた指の間からAを見つめていれば、なんかもう全部どうでもよくなった。
『×××Co.でいいんだっけ?1時間ぐらいかかるから休んでていいよ』
「…別に休むほど疲れてねーよ」
『そうだったの?まあいいや』
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愛之助(プロフ) - みなみかわ東。さん» みなみちゃ〜〜〜ん😘😘😘😘😘😘 いい吐息ありがとう🥺 (2021年12月4日 12時) (レス) id: 71bd857e36 (このIDを非表示/違反報告)
河谷(プロフ) - 愛之助さん» ああもう頭ん中ではひ〜ちゃんだったのにごめん🥺🥺 (2021年12月2日 6時) (レス) id: 1007f168b9 (このIDを非表示/違反報告)
みなみかわ東。(プロフ) - とてもよい作品でございました(吐息) (2021年12月1日 21時) (レス) @page11 id: e84367e7a0 (このIDを非表示/違反報告)
愛之助(プロフ) - 唯梨さん» あ〜ゆーりたん読んでくれてありがとうね…🤦♀️🤦♀️ (2021年12月1日 18時) (レス) id: 71bd857e36 (このIDを非表示/違反報告)
愛之助(プロフ) - 卍卐さん» お邪魔します…😌 (2021年12月1日 18時) (レス) id: 71bd857e36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:愛之助 | 作成日時:2021年10月12日 8時