術の成功 ページ17
先程よりすこしはマシな顔をしたナルトは、私の目を真っ直ぐに見た。
「俺の…良さ…。」
ちょうどその時、変化の術のテストが着々と進んでいた。
その様子を見た私は気が気じゃなかった。
実はここに来てから今日までの数日間、1度も術を使ったことがないからだ。
大体の基礎は授業で何度も習ったが、実戦となればそれは所詮机上論に過ぎないのかもしれない。
慎重な面持ちで成り行きを見守ることにした。
「春野サクラ、いっきまーす！…変化！！」
サクラはぶりっ子をしながらぼふんと煙に音を立ててイルカ先生そっくりに化けた。
そして振り返って、後ろにいるサスケに甘ったるい声を出して笑いかけた。
「サスケくん！！見てくれた！！？」
勿論サスケの態度は今日も相変わらずだった。
それを見ていて私は少し複雑な気持ちになった。
サクラがいくらサスケに尽くしても、サスケがその労を労うことは決してない。
いつもどこか遠くを見ているサスケにここ迄するのは、まるで絵に語りかけているようなものだ。
それはとても皮肉で切なくて、痛々しかった。
これは私がサスケのことを嫌いじゃないからこそ、複雑に思ったんだと思う。
そのうちすぐにサスケの名前が呼ばれ、彼も完璧に終わらせた。
そして次はいよいよ私。
不安そうにイルカ先生を注視する。
「そういえばAは忍術をつかうのは初めてだったな。」
私は首を縦に動かしてうなづいた。
「基本は授業で説明した通りだ。後は身体の中心に二つのチャクラを集めるイメージをして俺に化けることだけを考えればいい。」
「わかりました。」
「Aの場合は初めてだから、失敗しても
罰則は無しとする。」
イルカ先生が皆に向かってそういうと、一部の女子達が”えー”と声を上げたが、イルカ先生に「最初は誰でも出来なかっただろ。」と言われれば、黙りこくっていた。
私はサクラやサスケと同じような構えをとって、ひたすらイルカ先生に変化することを考えた。
「変化！」
何も起こらない。
が、その直後、少し遅れてイルカ先生に化けた私が煙の中に立っていた。
髪型も、顔の傷も、全てそっくり。
…成功だ。
イルカ先生や、みんなはフリーズ状態だったが、次の瞬間わっと歓声が沸いた。
「あんた意外とやるじゃない！」
「俺なんか三ヶ月かかったぜ！」
そしてイルカ先生もニッコリと微笑んで言った。
「合格だ！」
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Caesar(プロフ) - マスラさん» コメントありがとうございます！なかなか更新出来ないのですが応援してくださる方がいると思うととても嬉しいです！ (2018年11月6日 18時) (
レス) id: 0b14e887c8 (このIDを非表示/違反報告)
マスラ - とても面白いです！続き楽しみにしています。お忙しいとわ思いますが、更新頑張ってください！(*^_^*) (2018年11月6日 16時) (レス) id: 9b6ae3d64f (このIDを非表示/違反報告)
Caesar(プロフ) - ありがとうございます！！学生なのであれこれ大変ですが更新がんばります！ (2018年9月10日 7時) (レス) id: 0b14e887c8 (このIDを非表示/違反報告)
ブラピ - 小説とても面白くて大好きです！更新頑張って下さい！ (2018年9月10日 3時) (レス) id: e896eb0a17 (このIDを非表示/違反報告)
Caesar(プロフ) - 深雪さん» コメントありがとうございます！！この所旅行に行ってて更新出来ませんでした。すいません！！頑張って進めるようにしますね！ (2018年8月18日 19時) (レス) id: 0b14e887c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：julius | 作成日時：2018年1月1日 1時
