連帯責任 ページ16
「確かにな。ちゃんとしたリユーがあるなら聞かせてもらうぞ!ナルト!!」
「ハイハイ。」
爆発寸前だったイルカ先生に油を注ぐ態度をとるナルト。
その前に私はナルトを見て必死で、「反省した態度を取るように!」と念じていたが彼の態度は全く変わらない。
そして「あーあ。」と落胆している私にも頭から湯気を立たせているイルカ先生がどれほど怒っているかは理解出来た。
さすがに何らかの危機感を感じた私は何とかイルカ先生の気を和らげようとひたすらに弁論を唱えた。
「まぁ、先生…、ナルトがイタズラをしたことに変わりはないかもしれない。けど、その過程でどんな辛い思いをしていたかは誰にも分からないでしょう?」
”辛い思い”イルカ先生がこの言葉に一瞬目を見開いた。
「今回だけは許すっていうのは…。」
どうでしょう?と私が送った視線になんとか宥められたイルカ先生だったが、全く反省の様子がないナルトに再びブチ切れていた。
「今日の授業は変化の術の復習テストだ!全員ならべー!!」
「えっ…!?」
どうしてそうなった。と心の中でツッコミを入れた。
ナルトのことで怒っていたはずなのに連帯責任とはイルカ先生の怒りの矛先が明らかに別の場所に来ている。
これは飛んだとばっちりだ。
同情を求めてサスケの方を見ると彼は僅か微笑んだ。
それはまるで”さて、お前はどう切り抜ける?”と言っているみたいだ。
私は不覚にも頬に熱を留めながらたじろぐように左右に首を振った仕草を見せる。
彼は表情から見る限り、自信のほどはやはりあるようだ。きっと難無くこなすだろう。
サスケとのやり取りで、何とも言えない朗らかな気持ちになっていた私がふとみると、クラス全員がぞろぞろと席を立ち、教壇の前に列をつくっていた。
「みんなあんたのせいよ。」
解放されて並ぼうとしていたナルトに、数人が恨みのこもった目で野次を飛ばす。
私はさり気なくナルトを庇うようにして並んだ。
「ナルト、お前ちょっとは考えて行動しろよ。試験前にイタズラなんかしてたら怒られるにきまってるだろ。それより勉強でもしてればイルカ先生も絶対にナルトを叱ったりしないのに。」
「…俺には無理だってばよ。」
「ナルト…!?」
その余りに元気の無い返事に、今まで見えなかった彼の闇が見えた気がした。
「でも…賢さだけがすべてじゃない。私はそうだけど、まぁ大丈夫だよ。ナルトはナルトの良さがあるから。」
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Caesar(プロフ) - マスラさん» コメントありがとうございます!なかなか更新出来ないのですが応援してくださる方がいると思うととても嬉しいです! (2018年11月6日 18時) (レス) id: 0b14e887c8 (このIDを非表示/違反報告)
マスラ - とても面白いです!続き楽しみにしています。お忙しいとわ思いますが、更新頑張ってください!(*^_^*) (2018年11月6日 16時) (レス) id: 9b6ae3d64f (このIDを非表示/違反報告)
Caesar(プロフ) - ありがとうございます!!学生なのであれこれ大変ですが更新がんばります! (2018年9月10日 7時) (レス) id: 0b14e887c8 (このIDを非表示/違反報告)
ブラピ - 小説とても面白くて大好きです!更新頑張って下さい! (2018年9月10日 3時) (レス) id: e896eb0a17 (このIDを非表示/違反報告)
Caesar(プロフ) - 深雪さん» コメントありがとうございます!!この所旅行に行ってて更新出来ませんでした。すいません!!頑張って進めるようにしますね! (2018年8月18日 19時) (レス) id: 0b14e887c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:julius | 作成日時:2018年1月1日 1時