嫌悪 ページ22
「正確に言えば一番はAだ。アカデミーに入ってすぐの学力テストの結果と、忍術を習得する速さが先生達の間でも評判になってる。」
それらに関しては、自信があっただけに評判だと聞いた時の嬉しさは大きかった。
私は小声で「やった!」と呟いてガッツポーズをするとチッと舌打ちをしているサスケに得意気に笑いかけた。
「これからよろしく。”ほぼ”一番さん。」
このときサスケが一瞬頬を赤くした気がした。
直ぐに目を逸らされてしまったので実態はわからないが悔しがるサスケの横顔を見て、改めて私が一番なんだと実感した。
「毎日毎日好感度をあげるために挨拶してた甲斐があったな〜。」
私は頭の後ろで手を組んで、自信たっぷりに椅子を前後へ動かし出していたが急にがたんと音を立てて後ろに派手に転んでしまった。
「平気だよ!」
大丈夫かとも聞かれないのにどう反応したらいいかわからなくてとりあえずそう言った。
ざっと説明が終わると昼食の時間になった。
それぞれ一時解散となり、サスケとナルトはどこかへ行き、サクラはサスケを追って教室を出た。
私はというと持ってきた弁当にも手を付けずにジュースばかり飲んでいた。
実力がなければ通用しない、新しく始まろうとしている環境にかなり緊張していたんだと思う。
暫くすると私も独りでいる退屈しのぎに外へ出た。
ベンチの近くで休んでいようかと思っていたが、そこには先客がいた。
サスケがサクラと何やら話している。
私は珍しく思って側によった。
「A、いい所にきた。ナルトのヤローがどこ行ったか知らないか?」
サスケが真面目な顔で聞く。
少し意外だった。それまでは冷たい印象しかなかったが何だかんだ言って仲間のことも気に掛けている。
「ナルトは…」
私が口を切ろうとした時、サクラがそれを遮った。
「ナルトなんてほっときゃいいじゃない!」
「サ、サクラ…?」
「サスケくんに絡むばっかりでさ!ほら、あいつ親いないから、まともな育ち方してないのよ!」
サスケの黒い瞳が揺れたのがわかった。
へらっと笑うサクラを、私はこれまでに無いくらい冷たい目で一瞥した。
「…う。」
「A?何?今サスケくんと話してるんだけど!!」
「違う。親がいるかどうかは関係ない…。この一言で片付けたくないぐらい頭にきてるけど、サクラ、君って最低だ。こんな下等な人間と同じ班なのも恥ずかしいよ。」
「確かにな。」
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Caesar(プロフ) - マスラさん» コメントありがとうございます!なかなか更新出来ないのですが応援してくださる方がいると思うととても嬉しいです! (2018年11月6日 18時) (レス) id: 0b14e887c8 (このIDを非表示/違反報告)
マスラ - とても面白いです!続き楽しみにしています。お忙しいとわ思いますが、更新頑張ってください!(*^_^*) (2018年11月6日 16時) (レス) id: 9b6ae3d64f (このIDを非表示/違反報告)
Caesar(プロフ) - ありがとうございます!!学生なのであれこれ大変ですが更新がんばります! (2018年9月10日 7時) (レス) id: 0b14e887c8 (このIDを非表示/違反報告)
ブラピ - 小説とても面白くて大好きです!更新頑張って下さい! (2018年9月10日 3時) (レス) id: e896eb0a17 (このIDを非表示/違反報告)
Caesar(プロフ) - 深雪さん» コメントありがとうございます!!この所旅行に行ってて更新出来ませんでした。すいません!!頑張って進めるようにしますね! (2018年8月18日 19時) (レス) id: 0b14e887c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:julius | 作成日時:2018年1月1日 1時