。そう言えば ページ15
「あ、そう言えば。
私一回家に帰りたいんですけど、良いですか。」
メモ帳、見たい。
彼らの見分けつけないと。
「じゃあ僕が走って連れてってあげる!」
「本当ですか、十四松君!」
「やっ、やめておいた方が良いよっ?!」
「…どうぞよろしくお願いします十四松君。」
どうしても自分で歩きたくなくて、頼んでしまった。
あの時、忠告を素直に聞いていれば良かったのかもしれない。
「お願いします。」
「抱っこ?おんぶ?どっちがいいー?」
「えっ…手を引いてくれませんか。」
「えーっ!やったことない!
手掴んでるだけじゃ、大怪我するかもよー?」
「うぇ…他の選択肢は…」
「えっとねー。肩車と、お姫様抱っこかな!」
「おんぶでお願いします。」
即、答えました。
肩車の方が危ない気がするんだけど大丈夫か。
何年ぶりだろう。おんぶして貰うの。
よいしょ、と十四松君の背中に乗ると、案外安定していた。
「ちゃんと掴まっててねー!」
と言った途端、周りの風景がビュンビュン変わっていくではないか。
肌寒い程、風を目いっぱいに感じられる。
「と、通り過ぎないでね…」
そう言うのが精一杯。
「着いたよー!」
と息切れもしていない様子の十四松君。
君の体力は無限大だね。
「じゃ、じゃあ取ってきます。
待っててね…」
と私の方が疲れている模様。
家の鍵を取り出し、鍵穴に指してカチャリと回す。
そして家の中に入り、学生時代の思い出がまとまっている箱を漁る。
あった。見つけた。
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作者名:イチゴミルクティ。 | 作成日時:2021年1月13日 21時